子どもが真ん中! 誰もが輝ける学校づくり
子どもをど真ん中にした支援
人生をあきらめて、夢を持たないようにしている子どもたちがいます。貧困などの問題で助けが必要でありながら、支援の手が届いていない子どもたちです。明治時代の学校改革以降、日本の学校は勉強だけでなく生活の指導や支援も行ってきました。しかし子どもの貧困やヤングケアラーなど、時代の変化や社会の複雑化に伴って生じる問題に学校だけでは対処しきれなくなっています。その結果、教育ではカバーできず福祉も届かない「谷間」に陥ってしまう子どもたちがたくさんいます。そこで、子どもを真ん中に据えた、学校や地域の支援ネットワーク作りの研究が行われています。
学校で子どもが輝けるように
貧困や家族の精神疾患など、子どもの家庭問題に対して学校が対処するのは容易ではありません。しかし、学校が子どもに対してできることはたくさんあります。例えば、子どもに先生のお手伝いをお願いしたり、絵の得意な子に学級だよりの挿絵を描いてもらったりというように、子どもが活躍できる場を作ることです。自分が役に立ったという経験で、子どもは少しずつ素直な自分を出せるようになります。子どもに寄り添って子どもが本来持つ力を発揮させることを「エンパワーメント」と呼びます。子どもが変われば、家庭も変わることができるのです。
失敗しない支援のプロットづくり
2008年に文部科学省は学校へのスクールソーシャルワーカー導入を決めました。しかし学校でのソーシャルワークは、高齢者や障害者などの福祉とは勝手が違うため、そこからの参入は簡単ではありません。そこで、スクールソーシャルワーカーの養成とともに、学校での支援を視覚化する試みがなされています。現場での調査や、スクールソーシャルワーカーが支援したケースの分析などを通し、支援に必要な要素を抽出して、支援の基本となるプロットを構築しています。また今後は、学校と地域の間で切れ目なく子どもを支援できるようなネットワーク作りも進められています。
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先生情報 / 大学情報
日本福祉大学 社会福祉学部 社会福祉学科 教授 野尻 紀恵 先生
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