あなたの消費行動は、企業から見られている!
見えない「イメージ」を買っている
ある実験で、目隠しをして、高額なお菓子とコンビニでも買える安価なお菓子を食べ比べてもらいました。「どちらがおいしい?」と聞いたところ、その答えは半々という結果でした。では、高額なお菓子を買う人は、何に対してお金を払っているのでしょうか。味が変わらないのであれば、パッケージの高級感、作っている会社や職人の知名度といった「イメージ」または「ブランド」に払っているとも言えます。「オシャレだから」「高級だから」という思い込みとも言える心理的な作用が、消費行動につながっているのです。
納得した「品質・性能」で選ぶ
では、化粧品はどうでしょう。購入のきっかけは、イメージかもしれません。しかし、実際に使ってみて、自分に合わなければ次に買うことはないでしょう。「高いけれど肌に合う」「安くても好きな色がある」というように、自分が納得すればイメージには左右されなくなるのです。つまり、化粧品を長く続けて買ってもらうには、「品質・性能」が重要と言えます。消費者は安くて価値のあるものを買いたいと思っています。他方で、企業はどうやって高いものを買ってもらうかを考えています。そのための方法が、イメージであり、品質・性能でもあるのです。
企業は消費者を見て、売り方を考えている
価格を安くし、大量に売ることで、業績を伸ばそうとする企業もあります。しかし、他社が価格を下げれば、自社もそれ以上に価格を下げざるを得ません。その結果、収益は低迷します。結果的に体力ある企業のみが生き残り、市場は独占化されるため、消費者も何らかの影響を受けます。また、利益を追求するあまり品質管理を怠ってトラブルを招くと、消費者の信頼を失うこととなり、企業業績にも深刻なダメージを与えます。企業は、自社の商品が消費者にどう選ばれているか、何が重視されているかを見極めて、イメージや品質・性能、価格などとのバランスも考えながら、より有効な売り方を模索しているのです。
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先生情報 / 大学情報
阪南大学 経営学部 経営学科 准教授 奥 康平 先生
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