顧客の情報をどう活用する? インターネットで実現した双方向性
企業経営に欠かせない情報
インターネット上のビッグデータを分析するデータマイニングは、多くの企業で行われています。分析結果から「買い合わせ」の傾向などを知り、経営に役立てる企業も増えました。買い合わせとは、「にんじんとじゃがいもと肉」をカートに入れた人は「カレールー」をセットで買う場合が多い、といった同時購入商品の組み合わせのことです。また、SNSに投稿されるテキストから有益な情報を取り出すテキストマイニングも盛んになりました。経営情報学では企業の情報システムや活用方法、経営への影響などが研究されています。
テレビを上回ったインターネット広告
以前の消費者は企業から情報を受け取るだけの立場でしたが、インターネットやSNSの普及によって発信者にもなりました。一方通行だった企業の情報発信が、消費者と企業による双方向のやり取りに変化したのです。ときには口コミが売り上げを左右することもあるため、SNSの投稿や通販サイトのユーザーレビューなどは企業も注目しています。
特にインターネットを活用している業界が広告分野です。テレビ広告などと比べ、インターネット広告のメリットは顧客の興味に合わせた内容を届けることができる、購入履歴から広告の効果測定を行いやすい、などが挙げられます。
効果的なネット広告は何番目?
顧客がインターネット広告を閲覧するタイミングも、企業にとっては有益な情報です。例えばセールなどを宣伝するキャンペーン広告を分析すると、最後に見たものの影響度が高いです。一方で、企業ブランドを認知させるような内容の広告は、最初に見たものが有効だとされています。そのため知名度を上げるための広告はYahoo!など利用者の多いサイトに掲載すると宣伝効果が高まります。キャンペーンの場合は広告の内容に関連するブログなどのサイトに掲載すると、その分野に興味のあるコアなファンからのクリックが増えると考えられています。
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下関市立大学 データサイエンス学部 データサイエンス学科 教授(学部長) 松本 義之 先生
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