「ストレスコントロール」で、前向きに生きよう!

「ストレスコントロール」で、前向きに生きよう!

人間は、心と体が結び付いた「心身複合体」

夜、ぐっすり眠れなかったり、学校に行こうとして急におなかの具合が悪くなったり、どうしようもなくだるい感覚に襲われたりすることはありませんか? それらの身体的な不調は、精神的なストレスが原因かもしれません。
心には無限の広がりがありますが、体には限界があります。「心」と「体」とは極めて密接に関わり合っているので、心に強い負荷(ストレス)がかかり続けると、体の許容量をオーバーしてしまって不具合が発生することがあるのです。ストレスを管理することで、「よりよく生きる」方法を研究するのも、心理学の研究テーマのひとつです。

自分自身でストレス管理する新技法

一般的な心理療法は、カウンセラーがクライエント(相談者)の話をじっくり聞き、「自分は必要とされていない人間」などという誤った認識や思い込みを修正しながら、心のケアを行います。
それに対して近年、育児中の母親などを対象に適用されているのが、「SART(主動型リラクセイション療法)」です。心と体とが一体である点に着目し、自身の意思で体を動かしながら、ストレスを減らす新技法です。特に、障がいのある子どもを育てている母親は、母親としての責任感などで、過剰なストレスを抱え込んでいることが多いため、1人で実践できる「SART」が役立っています。

感覚を、自分の内面に向けることの重要性

「自分のことは自分が一番よくわかっている」というのは、本当でしょうか? 人間も含め動物の「五感」は、獲物を探したり外敵から身を守るために「外向き」に発達した能力で、意外に内面には向きにくいものです。そのため自分の心身の状態が悪くなっていることに、気づかないケースが少なくありません。
そうした人たちの心を自分自身に向けさせ、自分は価値のある人間だという「自尊感情」を高め、心の平穏を保てるようにするのが、「SART」をはじめとする心理学的ストレスマネジメントの役割なのです。

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福岡女学院大学 人間関係学部 心理学科 教授 奇 恵英 先生

福岡女学院大学 人間関係学部 心理学科 教授 奇 恵英 先生

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心理学、臨床心理学

メッセージ

心理学は、「人間の心の働き」を科学的に研究する学問です。勉強しているうちに、自分自身の心の動きだけでなく、周囲の人の心の動きや、さまざまな集団の心の働き、「集団心理」も理解できるようになるでしょう。
自分自身や人々の心の動きが理解できるということは、「どんなふうに言えば相手に伝わるか」「どうすれば相手の気持ちを動かせるか」といったことが、適切に判断できるということです。心理学で学ぶ、心を働かせる力は、あなたがこれから生きていく多くの場面で、きっと役立つはずです。

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