心の健康を保ってよりよい看護を! 看護師のストレスマネジメント
人の命を預かる仕事にはストレスがともなう
看護師は常に患者さんに関わり、医療補助行為やケアなどを行う責任ある仕事です。人の命に関わる職業のため、やりがいと同時に高い緊張感も強いられます。患者さんを見守るために勤務時間が不規則になりますし、一生懸命お世話した患者さんの死に立ち会うショックなどで、大きなストレスを抱える看護師は少なくありません。患者さんの心に寄り添い、よりよい看護をするためには看護師自身がストレスを受け止め、乗り越え、はね返して成長する力が求められるのです。
「レジリエンス」を鍛えてストレス克服
人間が生きていれば必ず困難な状況、予期せぬ出来事に出会いますが、誰しもそんなときは落ち込んで当たり前です。でも心が折れたままになってしまわず、状況にしなやかに対応して前向きに進んでいける、精神的回復力、復元力のことを心理学や精神医学用語で「レジリエンス」と言います。これは看護師のような職業の人はもちろん、ストレスに悩む一般の人々にも有用な考え方です。ストレスの影響は人や状況によって、心、身体、行動のどれかに現れます。ストレスのサインに気づいたときに逃げるのではなく、まずきちんと向き合うことがストレスに打ち勝つ第一歩です。
「まあいいか」を口癖にしよう
ストレスを軽減するには、好きなことをして発散したり、人に手助けを求めたりすることも有効です。また、自分自身に対する要求水準が高すぎないか、周りの要求にNOと言えず、期待に過度に応えようとしていないかを見直すこともポイントです。看護師にはそういう気質がよくみられます。「もっと頑張らなければ」と無理をせず、「まあいいか」とつぶやいてひと呼吸してみましょう。
そのほか、看護師のストレスマネジメントでは、相手の気持ちも大事にしながら自分の意見を主張する「アサーション」という技法を学んだり、日常のささやかな出来事に感謝できる精神状態をめざすなど、ストレスにしなやかに対応できる心を育てることが大切なのです。
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先生情報 / 大学情報
四條畷学園大学 看護学部 看護学科 教授 谷口 清弥 先生
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