オリンピックはマスメディアの「伝える力」がよく見えるチャンス
その情報は、うわさ話? ジャーナリズムの一環?
何かを知りたい時、今では多くの人がインターネットから情報を得ていますが、それは100%信頼できるものでしょうか? ネット上には、うわさ話を寄せ集めたような匿名の書き込みがたくさんあります。一方、責任の所在を明らかにした署名記事もあります。自分で取材して確認を取り、どこまで公表すべきかにも配慮した正しい情報の発信を通じた言論活動を「ジャーナリズム」、取材者を「ジャーナリスト」と呼びます。
1990年代まで、ジャーナリズムを担っていたのは主に新聞社や放送局などのマスメディアでしたが、インターネットが普及する現在、残念ながらジャーナリズム全般に対する社会の信頼度は下がりつつあります。
ジャーナリズムの役割って?
ジャーナリズムには、論点を明らかにしたり、評価したりする役割もあります。例えば、少年犯罪が頻繁に起こると「少年犯罪全体に共通する時代背景があるか」「容疑者の少年は匿名でいいのか」「少年法の適用年齢を引き下げるべきでは」などテーマを示して解説し、論評を発展させていきます。つまり社会で起きている出来事を時代の中で関連づけてとらえ、人々がよりよく生きられる社会づくりにどのようにつながるかを考えることも、ジャーナリズムの役割の一つなのです。
テレビは、オリンピックとともに進歩してきた!
マスメディア、とりわけ放送の発展と深く関わってきたのがオリンピックです。1924年パリ大会でラジオの生中継が、1936年ベルリン大会ではテレビの生中継が初めて行われ、1964年東京大会では世界に向け、史上初の衛星生中継が実現しました。国威を世界に示すオリンピックは、放送技術やメディアの「伝える力」を格段に進歩させるチャンスでもあります。
2020年東京大会では8Kの高画質テレビに加え、SNSなどソーシャルメディアを駆使した最新鋭の情報伝達手段が登場することも期待されます。世界最大のスポーツの祭典の感動をどこまで伝えられるか、メディアの力量が問われています。
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先生情報 / 大学情報
椙山女学園大学 情報社会学部 現代社会学科 ※2024年4月開設 教授 脇田 泰子 先生
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