「悩み」がないことはいいことだけじゃない?!
「友人関係で悩みがない」って、いいこと?
最近、友人関係に疲れや不安を感じる人が増えています。相手に嫌われないように笑顔と気づかいを見せ、場を盛り上げるジョークを言い、「いい友だち」を演じていることが多いからです。でも、悩みを心にためることは少なくなってきました。すぐSNSなどでつぶやいたり、複数アカウントを使い分けて解消しているからです。
実は、悩むには、自分の心を見つめ、いろいろなことを擦り合わせて考える能力が必要だと言われています。悩みをためない人たちは、自分の内側を見つめる機会もなく、心の不調に気づけないかもしれないのです。
仲間外れになることを気にするタイプは?
自分を見つめる手がかりとなるひとつが、統計を利用した心理テストです。例えば、「自分の知らない話題でみんなが盛り上がっている」などの項目について、あてはまる程度を点数化すれば、「仲間外れになることにどのくらい敏感か」を測ることができます。
ある調査では、友だちをとても大事にする人よりも、表面だけあわせてつき合う人の方が「仲間外れになること」を気にする度合が高いという結果が出ました。仲間に嫌われないか不安だからこそ、深く立ち入らない友人関係を保っていると考えられるのです。
自分と相手の心を知り、対人援助に役立てる!
話を聴いてもらうと、すっきりした経験はありませんか。友だちからよく相談されるタイプの人は、対人援助の学びが向いているかもしれません。心の状態を知るためには、箱庭なども使います。非言語的な技法を身につけるには訓練を要しますが、専門的な解釈ができなくても、「今の私はこうかな」と本人の気づきが生まれ、心理療法にも用いられるすぐれた技法です。学部では、社会のさまざまな場で心理的なサポートができる力がつきます。大学院まで進学して臨床心理士の資格をとると、スクールカウンセラーなど心の専門家として働くことができます。
自分や相手の置かれている環境や心の状態をより深く見つめる臨床心理学は、対人援助に役に立つ学問なのです。
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先生情報 / 大学情報
椙山女学園大学 人間関係学部 心理学科 教授 安立 奈歩 先生
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