コンビニの中に見る「経営情報学」の一つのアプローチ
「経営情報学」ってなんだろう?
経営情報学の学習に、経営学をベースとして、さまざまな情報分析をしていくアプローチがあります。「経営・マーケティング」という言葉を聞いたことがあると思いますが、人間の意識や行動を分析して、商品の開発や店舗づくり、営業などの経営活動に生かすためには、的確な情報(分析)が必要となります。例えば、コンビニの商品陳列は、目立つところに新商品があったり、視線の高さに人気商品や売りたい商品が並んでいたりします。これは人間の購買行動や、それまでの売り上げ、人の動線などの分析に基づいて決められているのです。
コンビニの商品陳列から見えるもの
今ではどこのコンビニでも普通の光景となりましたが、お酒のコーナーの近くにおつまみ類を置いたのは、酒類販売に力を入れ、地域で根強い人気を誇っている、あるコンビニチェーンが始めたと言われています。本来は飲み物、お菓子などジャンルごとに棚が分かれている商品を、ついでに購入したいと考えられる物を近くに置く「関連陳列」は、まさに消費者の行動や心理を分析して生まれたものです。また、レジの近くにチョコレートなどの安価なお菓子が置いてあると、つい買ってしまうことがあります。これも消費者の行動や心理を分析した陳列です。
人間観察から生まれる情報を蓄積
経営情報学は実は人間が主役です。人間を観察することで、さまざまなデータが得られます。しかしそのままでは、ただのデータにしかすぎません。そこに意味や価値を見出して、初めて「情報」となり、それを蓄積していくことで、マーケティングや経営、環境づくりなどに生かされていくのです。
経営情報学の視点で、コンビニやスーパーを分析すると、商品の開発や陳列の仕方などの一つひとつに、どんな意味があるのかが見えてきます。また消費者の意識や行動を考え、それを分析することで、たくさんのことに気づくことができるでしょう。いろいろな視点から人間を観察し、分析することによる気づきが、経営情報学の第一歩となります。
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北星学園大学 経済学部 経営情報学科 教授 鈴木 克典 先生
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