犬と飼い主を幸せにする犬の専門家!

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犬は干からびたミミズが好き?

犬は、生きているミミズには興味を示しませんが、干からびたミミズを見つけると、夢中になり背中をこすりつける動作をします。これは、干からびたミミズに含まれる物質に反応するためだと考えられます。そこで、この匂いを化学合成し、人間がわからない程度まで薄めれば、犬の気持ちを紛らわせる道具として活用することができます。
例えば、最近、留守番を嫌がり、飼い主が外出しようとすると無駄吠えをするなどの問題行動を起こす犬が増えていますが、そうした犬に対して、飼い主が外出する際、この匂いのついたおもちゃを与えれば、犬はおもちゃに夢中になり、飼い主が出かけたことにも気づかないため、無駄吠えもしなくなります。

しっぽを振るのは喜んでいる合図ではない?

人間が犬と暮らすようになってから何万年もたちますが、犬の行動は、まだ解明されていないことがほとんどです。
例えば、犬がしっぽを振るのは、喜んでいる証拠だと言われていますが、しっぽを振りながら噛みつく犬もたくさんいます。また、何かに夢中になると、その対象に背中をこすりつける動作をしますが、なぜ背中をこすりつけるのかも、わかっていません。このように、世間一般で当然のごとく言われている犬の行動でも、その理由は、まだ科学的には解明されていないのです。

飼い主と犬の幸せのために、犬の専門家が必要

そうした未知な要素を一つずつ解き明かすとともに、そこから得られた犬との付き合い方の知識を飼い主に伝えることも重要です。近年、ペットブームから犬を飼う人が増えていますが、日本では、犬との付き合い方を教える場は、ほとんどありません。その結果、問題行動を起こす犬に手を焼く飼い主も増えています。
飼い主と犬が幸せに暮らせるように、犬の行動についての専門知識を持った人材を増やし、正しい情報を伝える場をつくることが求められています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

東京農業大学 農学部 動物科学科 教授 増田 宏司 先生

東京農業大学 農学部 動物科学科 教授 増田 宏司 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

動物行動学

先生が目指すSDGs

メッセージ

私の研究室では、犬と飼い主の両方に目を向けた研究を行っています。犬のさまざまな行動を解明しながら、飼い主向けのカウンセリングや犬のしつけに使えるグッズの開発まで幅広い取り組みを行い、それを社会に向けて発信しています。
しつけから「ペットロス(ペットがなくなった悲しみや喪失感)」への対応まで、世の中のすべての犬と飼い主が幸せに暮らせるための情報を提供できる犬の専門家を育てることが私の夢です。そんな夢に賛同してくれ、一緒に研究に取り組んでくれる学生を待っています。

先生への質問

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東京農業大学に関心を持ったあなたは

東京農業大学は、地球上に生きるすべての動物・植物・微生物と向き合い、それらの未知なる可能性、人間との新たな関係を追究していく大学です。食料、環境、健康、バイオマスエネルギーをキーワードに、創立以来の教育理念「実学主義」の下、実際に役立つ学問を社会のため、地球のため、人類のために還元できる人材を養成しています。世田谷、厚木、オホーツクの3キャンパスに6学部23学科を有します。