グローバルビジネスで肝心なのは、「思い込みを持たない」こと

グローバルビジネスで肝心なのは、「思い込みを持たない」こと

時間厳守は当たり前じゃない?

グローバル化が進み、ビジネスの場は、世界中に広がっており、それにともない、さまざまな文化の人たちと接する機会も増えています。国際コミュニケーションにおいて重要なのは、「思い込みを持たない」ということです。日本で当たり前のことが、別の文化では常識ではないということは、多々あります。
例えば、日本では、ビジネスにおいて時間厳守は当然のことですが、中近東では、約束をしていても何時間も待たされることが少なくありません。中近東では、アポイント無しの来客があった場合でも、丁寧に応対しなければならないという習慣があるため、突然の来客への対応で約束の時間に遅れるということもあるのです。そうした文化の違いを知らなければ、相手を単に無作法な人だと判断してしまうでしょう。

歩み寄って妥協点を見つける

海外とのビジネスでは、相手を知る一方で、自分たちの考え方や方針を相手にしっかりと伝え、理解してもらうことも重要です。その場合は、まず、自分たちが「譲れない」部分を明確にしておく必要があります。その上で、主張が異なる相手に対し、どこまで譲歩できるかを考えなければなりません。
ある日本企業の中国の現地法人では、指定した部屋で昼休みにかけることを前提に、私用電話を認めています。日本では、勤務中に私用電話をしないというのは当然のことですが、中国では勤務中の私用電話は日常的なことで、これを禁止すると、業務に支障を来しかねないため、こうした妥協策を編み出したのです。

コミュニケーションを通じ相手を知る努力が肝心

異文化への理解を深めるために、本を読むなどであらかじめ知識をつけておくことは重要ですが、その知識は絶対的なものではありません。同じ文化圏でも、地域や個人により、考え方や価値観が異なるからです。そのため、コミュニケーションを進めるなかで、洞察力を働かせたり、わからない部分は、率直に聞いたりといった、相手を知る努力が重要になるのです。

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中央大学 国際経営学部 商業・貿易学科 教授 中迫 俊逸 先生

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商学、貿易学

メッセージ

インターネットで簡単に情報が入手でき、また、どこの国の人とも容易にコンタクトできる社会になりました。人も金も情報も国境を容易に超えることができる時代になり、世界情勢は、ますます変化し、その勢いも加速しています。しかし、こうした状況を作り出しているのは、人間です。したがって、自分をしっかり見つめ、今できることを1つずつ行い、それを明日につなげ、自ら掲げた目標を少しずつ実現できるよう、明日の世界を担うあなたが中央大学に来て頑張ってほしいと思っています。

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