講義No.07806 経営学・商学

日本と欧米の経営スタイルはこんなに違う!

日本と欧米の経営スタイルはこんなに違う!

同じ会社でずっと働く不思議

日本人が当たり前に思っている経営スタイルや勤務スタイルには、欧米の人から見ると、奇妙に見えることがたくさんあります。例えば日本人は、会社に就職すると、同じ会社にずっといるのが良いことだと考えています。欧米では、自分のステップアップとして、より給料が高く、より自分の能力を生かせる会社に転職しようとする傾向があります。日本のスタイルだと、社員は一つの会社しか知らないので、視野が狭くなってしまいがちです。欧米スタイルのほうが、いろいろな会社を見て、比較することができるので、ライバル会社の考え方を理解することにもつながります。

「アットホーム」か「ライバル視」か

日本の企業は、欧米の企業より職場の雰囲気が良いと言われています。ずっと一緒に働くという意識があるので、自分が目立って活躍することより、仲間とのバランスを優先します。欧米では、「同僚はライバル」という意識から、互いに情報を共有しないことも多く、職場でのハラスメントも横行します。
ただし、グループ意識の強い日本では、物事の決断に時間がかかる傾向があります。リーダーに絶対的な決定権がある欧米と違い、決裁を仰ぐべき人間がたくさんいるため、緊急の際にスピードを要する判断ができない場合があるのです。

注目される日本型の経営スタイル

日本と欧米それぞれのスタイルに、メリット、デメリットはありますが、それらを単純に比較して、良し悪しを決めることはできません。両方のスタイルを知ることで、選択の幅が広がります。そして何より大事なのは、自分なりのスタイルを構築することです。
2008年に起こったリーマン・ショック以降、ヨーロッパの企業は、日本型の経営スタイルに注目しています。欧米型の経営では切り抜けられない状況に直面し、新たなスタイルを模索しているのです。特にカスタマーサービスとチームワークの良さを高く評価し、自分たちの経営に上手に取り入れたいと考えています。

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先生情報 / 大学情報

上智大学 国際教養学部 国際教養学科 教授 ハギリアン・パリッサ 先生

上智大学 国際教養学部 国際教養学科 教授 ハギリアン・パリッサ 先生

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経営学

メッセージ

「経営学」で学ぶものは、「action」「challenge」「fun」です。
経営学を勉強した人は、日常生活をより簡単(easy)にすることができるというのが、私の考え方です。経営学を学べば、ファイナンスについてもわかるし、ニュースについてもわかるようになります。会社で自分のするべき仕事を早く見つけることができます。大事なのは、生活をより良く(better)することではなく、より簡単(easier)にすることではないでしょうか。

先生への質問

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上智大学に関心を持ったあなたは

日本初のカトリック大学として開学し、創立当初から国際性豊かな大学として、外国語教育に重点を置いてきました。留学制度も充実しており、世界約80ヶ国に390校以上にも及ぶ交換留学・学術交流協定校があり、コロナ禍の2020年度、2021年度を除き、毎年約1,000人の学生が世界の様々な国や地域へ留学しています。また、少人数教育も本学の伝統のひとつです。教員と学生の距離が近く、また学生同士が率直に意見を交し合う、きわめて理想的な教育環境が整っています。他者を思いやり、社会に奉仕できる人材を育成します。