日本と欧米の経営スタイルはこんなに違う!
同じ会社でずっと働く不思議
日本人が当たり前に思っている経営スタイルや勤務スタイルには、欧米の人から見ると、奇妙に見えることがたくさんあります。例えば日本人は、会社に就職すると、同じ会社にずっといるのが良いことだと考えています。欧米では、自分のステップアップとして、より給料が高く、より自分の能力を生かせる会社に転職しようとする傾向があります。日本のスタイルだと、社員は一つの会社しか知らないので、視野が狭くなってしまいがちです。欧米スタイルのほうが、いろいろな会社を見て、比較することができるので、ライバル会社の考え方を理解することにもつながります。
「アットホーム」か「ライバル視」か
日本の企業は、欧米の企業より職場の雰囲気が良いと言われています。ずっと一緒に働くという意識があるので、自分が目立って活躍することより、仲間とのバランスを優先します。欧米では、「同僚はライバル」という意識から、互いに情報を共有しないことも多く、職場でのハラスメントも横行します。
ただし、グループ意識の強い日本では、物事の決断に時間がかかる傾向があります。リーダーに絶対的な決定権がある欧米と違い、決裁を仰ぐべき人間がたくさんいるため、緊急の際にスピードを要する判断ができない場合があるのです。
注目される日本型の経営スタイル
日本と欧米それぞれのスタイルに、メリット、デメリットはありますが、それらを単純に比較して、良し悪しを決めることはできません。両方のスタイルを知ることで、選択の幅が広がります。そして何より大事なのは、自分なりのスタイルを構築することです。
2008年に起こったリーマン・ショック以降、ヨーロッパの企業は、日本型の経営スタイルに注目しています。欧米型の経営では切り抜けられない状況に直面し、新たなスタイルを模索しているのです。特にカスタマーサービスとチームワークの良さを高く評価し、自分たちの経営に上手に取り入れたいと考えています。
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先生情報 / 大学情報
上智大学 国際教養学部 国際教養学科 教授 ハギリアン・パリッサ 先生
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