経済活動の利益を算出するのに欠かせない会計の役割
利益をどう計算するか
会計学とはお金に関する学問です。企業が経済活動で利益をあげるということは、社会に対して重要な貢献をするということでもあります。そしてその利益をどう計算するかが会計の重要な役割の一つです。
例えばコンビニエンス・ストアで、メーカーから100円で仕入れた商品を150円で売ったとします。その場合の利益は単純に50円と計算してもいいでしょうか。店では従業員に払う給料も必要ですし、水道・光熱費などもかかります。こうした費用を50円から差し引かないと、本当の利益を計算することはできません。また、扱う商品が多ければ多いほど、商売の勘だけを頼りに、すべての利益を計算するのは難しくなります。そのため、簿記や会計の知識が必要になるのです。
会計の正解は一つではない
別の例を見てみましょう。大きな建造物を、建設会社が3年かけて造るとします。会社の利益はどう計算されるでしょうか。会計学では2通りの方法が認められていて、建設の進み具合に応じて利益の計算をする方法と、3年後の完成時に一括して計算する方法とがあります。面白いことに、このように会計の方法が異なると、利益も何十億円単位で変わってきます。会計と聞くと、非常に厳密で一つの答えしかあり得ないように考えがちですが、会計上の判断方法によって答えはさまざまなのです。公認会計士などの会計担当者は、状況に応じて適切な判断ができるような知識を身につけることが大切になります。
国際的な基準の必要性も
また、会計という切り口で世界を見てみると、会社の資金を株式で集めるのか、銀行から借り入れるのかによって、会計に対する考え方や、会計の仕組み・制度が、国ごとに異なって発展してきているのがわかります。経済活動のグローバル化が進む現在では、各国間の制度の違いを解消するために、国際的に会計を統一する作業が進んでいます。時代に応じて会計がどのような役割を担っていくべきかを考えることも、これからの会計学の大きな課題だと言っていいでしょう。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。