キャラクターは、人々を巻き込むエンターテインメントデザインだ!
デザインの変化
エンターテインメントデザインとは、人を魅了し楽しませるものをつくることです。キャラクターデザインであれば、そのキャラクターを通じてみんなに親しみを感じてもらい、楽しませたり癒やしたりする役割を担います。デザイン史の中で見ても1990年以降、デザインの価値観が変化し、人と人とをつなぐメディア、コミュニケーションの手段としてのデザインという要素が重要になってきました。
その中で「ゆるキャラブーム」が起こりました。かつては大スターが憧れを集めていましたが、庶民的なアイドルが人気を得ているように、身近で一人ひとりが主人公という価値観がデザインにも反映されるようになりました。
平塚市の地産地消キャラクターに見る特徴
神奈川県平塚市には「地産地消」の促進を目的とした2種類のキャラクターがいます。農産物のPRを行う「ベジ太」という犬のキャラクターと、漁協のPRキャラクターである猫をモチーフとした「ひらつかタマ三郎」です。「ベジ太」は地図で見る平塚市の形が犬に似ていることから犬を連想して、平塚市で採れる5種類の野菜を背負っています。市内小学校の学校給食では月に1回「ベジ太の日」を設け、ベジ太型のパンと平塚の野菜を使ったメニューが登場します。平塚市の子どもはベジ太に親しみながら育っていくわけです。「ひらつかタマ三郎」は猫ですが、漁師の親父さんをイメージしたワイルドなルックスが特徴です。平塚市で漁業の活動をしていること自体、市民でも知らない人が多いため、インパクトのあるユニークなキャラクターを通じてその認知普及に努めています。
人々を巻き込むプロモーションもデザイン
こうしたキャラクターは、人々の交流によって性格付けされていくことに特徴があります。さらに現在では、人々がキャラクターを育ててストーリーをつくっていく時代です。どうやって人々を巻き込んでいくかというプロモーションを計画し、環境や空間のデザインを含めた総合的な取り組みを考えることが重要になってきているのです。
参考資料
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先生情報 / 大学情報
東海大学 教養学部 芸術学科 教授 池村 明生 先生
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