「投票」を通じて政治参加することの意味
年齢と投票率の関係
2016年に選挙権年齢が18歳まで引き下げられ、高校生にも選挙はより身近になりました。この年の参議院議員選挙でも、10代のおよそ半数が投票参加しました。ただ、これまでの選挙では若い世代の投票率は低調です。理由としては、若者の「政治的無関心」もよく言われますが、若いうちは一つの場所に定住しないことが多く、特定の地域に根付いていないことも考えられます。
一方、年齢とともに投票率は高まります。年齢を重ねるにつれ、地域に根差して暮らす人が増えるだけでなく、ライフサイクルも変化し、教育、子育て、医療、福祉などの問題を通じて、自分の生活と政治とのつながりを意識するようになるからです。
「当事者意識」が大切
また、住民投票では普段の選挙と違い、国や地域の政策課題に対して住民が直接、投票を通じて意思表示をします。これまで各地で行われた住民投票では、若者の積極的な投票参加が見られたケースも目立ちます。投票にかけられた政策課題が「当事者意識」を感じられるものであれば、より多くの若者が投票所に足を運び、政治への参加の実感も高めることができます。
政治への参加の実感を高めるには、有権者側が意識を変えるだけでなく、政治家や政党が有権者の声に耳を傾けることも大切です。選挙に出る候補者や政党は、投票率が高い年配者にアピールする政策などを訴えて、より多くの票を得ようとすることも多いと言えます。もちろん高齢者向けの政策も大切ですが、若者が政治にもっと関心を持ち、若者の意思が反映されるような政策が望まれます。
情報を選びとり、自分で考える
現代の政治は、インターネットなどのメディアの影響を大きく受けています。情報の伝わり方がこれまでと違うものになりました。Twitterなど断片的な情報があっという間に広がります。ですから、有権者は社会にあふれている情報をこれまで以上に吟味する能力を身につけることが必要です。そして、自分なりの判断基準をしっかり持ち、「投票」を通じて意思表示をすることが重要なのです。
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先生情報 / 大学情報
鳥取大学 地域学部 地域学科 地域創造コース 准教授 塩沢 健一 先生
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