変わりつつある図書館と「図書館司書」の役割
図書館は本を保管し、貸すだけの施設じゃない!
全国には3千あまりの公共図書館があります。昔はただ本が置いてあるだけというイメージが強かったかもしれませんが、近年では、使いやすさも求められ、カフェがあったり、会議やイベントができるような部屋が設けられたり、インターネットが使える施設もあります。もはや読書だけのスペースではなくなっているのです。
図書館司書の仕事と求められる力
図書館で働く専門職に「図書館司書」があります。仕事の内容は、カウンターでの貸出返却、本の整理、レファレンス、読み聞かせなどのイベント活動など多岐にわたります。なかでも利用者に質問されたことに対して回答を探すレファレンスは重要な業務です。「インドネシアに行くから情報を知りたい」「ある化学物質の特性を調べたい」など、理系文系問わず、質問内容はさまざまです。こうした問い合わせに対して、どのような情報や資料があるかをアドバイスします。
近年はインターネットの普及もあり、紙の本だけではなく、インターネットで調べる方法も提示するケースも増えつつあります。インターネットには、たくさんの情報がある分、誤った情報や不確実な情報も混じっています。図書館司書は情報リテラシー(情報を使いこなす能力)を身につけなければなりません。また、書籍電子化にともない、電子書籍や電子図書館に関する知識も必要です。地域の歴史など、図書館が持つ資料をアーカイブし、世界に発信することも求められています。
図書館司書資格は大学で取得できる
図書館司書資格は、大学で図書館情報学と呼ばれる分野の指定科目を履修することで取得できます。毎年、約1万人が資格を取得していますが、正規職員として勤めるのは狭き門になっています。また小学校・中学校・高校などの学校図書館を授業で活用する教員として「司書教諭」という道もあります。読書が好きな人や教えることが好きな人、好奇心が旺盛で調べ物が好きな人にとっては、やりがいの大きい仕事です。
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先生情報 / 大学情報
都留文科大学 共通教育 准教授 日向 良和 先生
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