研究対象は自由! 肌で感じるフィールドワークの大切さ
社会学の研究テーマは自由!
「社会学」では、自分の興味・関心から調査テーマを自由に決め、現地で関係者にインタビューを行う「フィールドワーク」という手法で調査をします。フィールドワークには、さまざまな種類があり、本格的な場合は「参与観察」と言って、例えば1~2年間、アフリカなど遠方にまで出かけ、現地の人々と生活を共にすることで、世界観や死生観を共有します。反対に、週に一度というように定期的に現場に出かけ、「通い」の調査もあります。
どんな場合でも大切なのは調べ方と記録のとり方です。自分が選んだ対象にどんな問題があるのか、また、どんなふうに記述すればいいのか、その技法を身につければ、社会に出たときも役立ちます。
調査を続ければ続けるほど面白い
例えば、「ダンスホール」について調査する場合、現存しているダンスホールで実際に踊ったり、戦前のダンスホールを知っている人や、終戦直後に運営・設営をしていた人にインタビューしたりします。話を聞く際、警戒される場合がありますが、きちんと目的を伝えることで、現役を引退したダンサーなど、ほかの関係者を紹介してもらえる場合があります。このように雪だるま式で関係者を紹介してもらいながら調査を進めるうちに、面白さがわかってくるのがフィールドワークの醍醐味です。中には、フィールドワークでしかわからないこともたくさんあります。
深い人間関係から本質が見えてくる
調査で重要なのは、いろいろな人の話を聞いた上で、それぞれの立場に立って複眼的な見方をすることです。なぜなら、話を聞いた人が必ずしも中心的なメンバーではない可能性があるからです。より本質に迫るためには、長期間にわたって調査を続けることが必要です。時間をかけて人間関係を築くことで、見えてくるものがあります。そして、論文にまとめるときも、調査に協力してくれた人に合意を得て、共同作品として相手と自分の両方の名前を出すことがとても大切です。
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先生情報 / 大学情報
関西大学 社会学部 社会学専攻 教授 永井 良和 先生
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