スポーツで最高のパフォーマンスをするために必要なこととは?
「心・技・体」を鍛えることが基本
スポーツでよいパフォーマンスをするためには、「心・技・体」、それぞれをバランスよく鍛えることが大切です。スポーツで一番基礎となる体力は、鍛えれば強くなりますが、鍛えることを怠ると衰えますし、加齢による低下が避けられないというのも特徴です。技術は、小さい頃からの積み重ねによって向上していきます。心理的な面は、スポーツを継続する際にも重要ですが、それに加えて試合の時のパフォーマンスに大きく影響します。いずれにせよ、「心・技・体」のどれが欠けても、良い結果は出せません。
長所をいかに伸ばすかに、コーチング方針も変化!
競技者のサポートをするのが、指導者の役割です。最近ではコーチングの理論も確立し、さまざまなスポーツで、年齢、競技レベルにあった指導が行われるようになってきました。「アスリート・ファースト」という言葉や考え方が定着し、コーチングの方針も「欠点を指摘してどう直すか」から、「競技者の長所をどう生かすか」にシフトしています。
指導で大切なことは、競技者に正確に指導の内容を理解させることです。そのためには、お互いの感覚を身体で理解することが重要です。そして、もう一つ大切なことは競技者の「自立」です。競技中は、競技者だけの世界となってしまい、指導者は応援しかできないからです。
リオ五輪での選手の活躍の背景には
コーチングの大切さは、トップレベルの選手でも同じです。2016年に行われたリオ五輪では、陸上競技に出場するほとんどの選手や指導者、サポートスタッフが集まり、アメリカで合宿をしました。普段の練習や過去のオリンピックでは、種目ごとなどで別々に行っていたトレーニングを一緒に実施し、チームとしての目標設定、課題提示、現状分析などを行ったのです。男子400mリレーでの銀メダル、50キロ競歩の荒井広宙選手の銅メダルなど、日本選手団の活躍の背景には、こうしたコーチングの成果も含まれていたかもしれません。
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山梨学院大学 スポーツ科学部 スポーツ科学科 教授 麻場 一徳 先生
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