スポーツ選手の体づくりを、栄養面からサポートする

栄養がスポーツ選手の体を作る
人間の体は、食事から取る栄養素で作られています。特にスポーツ選手の場合は、栄養素によって目的に合った体を意識的に作っていく必要があります。選手にとっての食事は、まずは消耗した分のエネルギーを補うために必要ですが、次に種目によって求められる体づくりのために必要です。例えばラグビー選手や野球選手は、がっしりした体を作るために、たくさんの量を食べて体重を増やします。しかし、好きなものばかりたくさん食べていては、そうはなりません。筋肉も脂肪もほどよく、バランスの良い体づくりが必要なので、例えばタンパク質と炭水化物とをバランスよく摂取するなど、食べ方を工夫しなくてはなりません。一方で、体を大きくしなくてもいいマラソン選手や体操選手は、スタミナをつけて、しなやかな体を作るための栄養素をバランスよく摂取する必要があります。
一人一人のためのアセスメント
同じ競技の人たちが同じ食事をしても、同じ体になるとは限りません。それぞれ体質が異なるからです。選手一人一人の体を知るために検査をして、はじき出された数値から客観的な判断や評価を行うことを「アセスメント」と言います。選手一人一人のアセスメントを行い、その結果から課題を見つけて改善のための食事をしてもらい、再びアセスメントを行うといったことを繰り返します。自分の体を知って初めて、最高のパフォーマンスを発揮できる体づくりができるのです。
長い選手生活を送れるように
選手たちが日々厳しいトレーニングができるのは、それに耐えられる体があるからです。一日三食以外のタイミングで取る食事を「補食」と言いますが、それも消耗したエネルギーを補い、体を大きくするためです。食べることもトレーニングの一環なのです。その上で、食べることは選手にとって、おいしく楽しいものでもなければなりません。そうして体づくりだけでなく、長く楽しく選手生活が送れるよう、栄養面からの役割が期待されています。
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先生情報 / 大学情報

日本栄養大学 ※2026年4月から共学化&名称変更 現校名:女子栄養大学栄養学部 実践栄養学科 教授上西 一弘 先生
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