食品の成分とその役割を知り、おいしく食べて、健康に!
「おいしさ」はどこから生まれるの?
食品に含まれる成分には、それぞれの役割があります。一つ目には栄養として働く成分、二つ目には体調を整える成分、三つ目には美味しさや香りを醸し出す成分です。それぞれの成分を同時に利用することもありますが、それぞれをバラバラに利用することもあります。また、調理や加工の技術を取り入れることによって、それらの成分も変化し、役割も変わってきます。そのバランスをみながら食品を利用するのが管理栄養士です。調理や加工のもとになる科学的な情報を整理して利用するのが食品学の研究者です。
栄養素と非栄養素
基本の5大栄養素は、「たんぱく質・脂質・炭水化物(糖質)・無機質(ミネラル)・ビタミン」です。人間を機械に例えると、燃料の代わりに摂る物質が栄養素で、必要最低限の生命維持という役割があります。
非栄養素ながら、水も生命維持に欠かせません。それに加えて、非栄養素として最近、植物の色素や香り、アクなどの成分から発見された植物性化学物質(ファイトケミカル)も注目されています。例えばニンニクの香りのアリシンです。健康的で豊かな食生活には、非栄養素も必要です。これら非栄養素の役割が解明されることで、おいしさと機能性の両面から食品を摂取することが重要である、と理解されるようになりました。
食品中の各種成分を学ぶ食品学
食品や含まれる成分の特徴や、調理・加工と成分変化の関係を勉強すれば、この成分をおいしく食べるために、食品をどう組み合わせればよいかが選択できます。生のままでは食べにくい食材なら、味の好みに応じて、調理・加工が必要になります。その入り口が、「食品学」です。
ここ30年間、食品学の領域で大きな変化が起きました。薬のように体調を整える食品成分が発見されました。日本は、食品から成分を取り出す高い技術を持っていて、こうした発見のリーダー的な役割を果たしています。
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先生情報 / 大学情報
高知県立大学 健康栄養学部 健康栄養学科 教授 渡邊 浩幸 先生
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