講義No.08612 食物・栄養学

食品の成分とその役割を知り、おいしく食べて、健康に!

食品の成分とその役割を知り、おいしく食べて、健康に!

「おいしさ」はどこから生まれるの?

食品に含まれる成分には、それぞれの役割があります。一つ目には栄養として働く成分、二つ目には体調を整える成分、三つ目には美味しさや香りを醸し出す成分です。それぞれの成分を同時に利用することもありますが、それぞれをバラバラに利用することもあります。また、調理や加工の技術を取り入れることによって、それらの成分も変化し、役割も変わってきます。そのバランスをみながら食品を利用するのが管理栄養士です。調理や加工のもとになる科学的な情報を整理して利用するのが食品学の研究者です。

栄養素と非栄養素

基本の5大栄養素は、「たんぱく質・脂質・炭水化物(糖質)・無機質(ミネラル)・ビタミン」です。人間を機械に例えると、燃料の代わりに摂る物質が栄養素で、必要最低限の生命維持という役割があります。
非栄養素ながら、水も生命維持に欠かせません。それに加えて、非栄養素として最近、植物の色素や香り、アクなどの成分から発見された植物性化学物質(ファイトケミカル)も注目されています。例えばニンニクの香りのアリシンです。健康的で豊かな食生活には、非栄養素も必要です。これら非栄養素の役割が解明されることで、おいしさと機能性の両面から食品を摂取することが重要である、と理解されるようになりました。

食品中の各種成分を学ぶ食品学

食品や含まれる成分の特徴や、調理・加工と成分変化の関係を勉強すれば、この成分をおいしく食べるために、食品をどう組み合わせればよいかが選択できます。生のままでは食べにくい食材なら、味の好みに応じて、調理・加工が必要になります。その入り口が、「食品学」です。
ここ30年間、食品学の領域で大きな変化が起きました。薬のように体調を整える食品成分が発見されました。日本は、食品から成分を取り出す高い技術を持っていて、こうした発見のリーダー的な役割を果たしています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

高知県立大学 健康栄養学部 健康栄養学科 教授 渡邊 浩幸 先生

高知県立大学 健康栄養学部 健康栄養学科 教授 渡邊 浩幸 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

食品学、栄養学、生物学、化学

先生が目指すSDGs

メッセージ

食品には機能や働きがあります。生命の維持、食欲増進、おいしさなど、大切で、うれしいことばかりです。食品を有効利用するには、食品の特徴、加工方法、衛生管理をしっかり学ぶことが必要です。
また、食品には未知なる可能性も多いことから、食品や栄養の研究では新しい発見も多いのです。高知県の特産物である食材や食文化についても学べます。また、健康栄養学部では、衛生管理の資格である「HACCP管理者」に対応したカリキュラムも用意しています。ぜひ、一緒に学びましょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

高知県立大学に関心を持ったあなたは

高知県立大学は、文化学部、看護学部、社会福祉学部、健康栄養学部の4学部で構成しています。高知県は全国と比較して、高齢化で10年、人口減少で15年も先行しています。少子高齢化社会や南海トラフ地震対策など山積する課題を乗り越えて、未来の社会をどう形成するかに、学生と教職員は真剣に取り組んでいます。全学生が地域で活動し、地域の人々とともに学びあう教育に力を入れており、卒業後には、学部で身につけた専門知識を生かして地域で活躍できる人材となることをめざしています。