子どもの個性にあった学びを フリースクールの可能性
フリースクールってどんなところ?
フリースクールは、子どもの個性・自由・自主性を重んじる学校外の学びの場・居場所です。オルタナティブスクールと呼ばれることもありますが、ここでは便宜的にフリースクールという言葉を用います。フリースクールは不登校の子どもたちの増加や既存の学校教育に対する疑問を背景に広がり、現在、各地で多様な支援や教育のかたちをとりながら運営されるに至っています。
フリースクールの支援と学びの特徴
フリースクールの中には、さまざまな困難を抱えた子どもたちを受け入れているところもあります。そこでは子どもが安心できる居場所としてさまざまな支援の工夫がなされています。一般的にスタッフは子どもの気持ちに共感するといった役割を担っています。学校のようにあらかじめ決められたカリキュラムや時間割があるのではなく、子どものやりたいことや自主性が大切にされています。時間の特徴について言えば、できる限り柔軟でゆるやかなスケジュールになっていることも多くのフリースクールに共通する特徴です。また活動はフリースクールの場だけにとどまらず、自然体験などのさまざまな体験活動も行われるなど、それぞれのフリースクールで個性的なプログラムが設けられています。このような活動を継続するためには、スタッフ側の学びや努力も不可欠です。現場では、スタッフ間の協力や公的、あるいは民間の支援機関なども含めたさまざまなつながりの中で、支援や学びが維持されています。
教育の多様性を考える
2016年に不登校の子どもたちの多様な学びの場の支援も含めた「教育機会確保法」が成立しました。以降、フリースクールの活動がいっそう注目を集めており、一部ではフリースクールで学ぶことについて教育の選択肢として理解する考え方も高まりつつあります。一方、財政面の課題など活動の継続に関して、さまざまな議論がなされています。不登校の子どもたちが増加する中、多様な教育の役割や課題に対して、社会としてどのように向き合うかが問われているところです。
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先生情報 / 大学情報
椙山女学園大学 人間関係学部 人間共生学科 ※2024年4月開設 准教授 佐川 佳之 先生
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