フリースクールの可能性とは?
フリースクールってどんなところ?
フリースクールは、子どもの個性・自由・自主性を重んじる民間の学びの場・居場所です。日本では、1985年に設立された「東京シューレ」がその先駆けで、1990年代から都市部を中心に全国に広まりました。
フリースクールが増えている背景には、画一的な教育が行われている学校への批判や、そのような学校生活になじみにくい不登校の生徒が増えているなどの理由が挙げられます。公的な教育機関ではないので、学びの内容も実にさまざまで、多様な個性や背景をもつ幅広い年代の子どもたちが通っています。
フリースクールの支援と学びの特徴
フリースクールの中には、さまざまな困難を抱えた子どもたちを受け入れているところもあります。そこでは子どもが安心できる居場所としてさまざまな支援の工夫がなされています。一般的にスタッフは子どもの気持ちに共感するといった役割を担っています。また、学校のようにあらかじめ決められたカリキュラムや時間割があるのではなく、子どものやりたいことや自主性が大切にされています。時間の特徴について言えば、できる限り柔軟でゆるやかなスケジュールになっていることも多くのフリースクールに共通する特徴です。子どもの気持ちに寄り添い、また学びを支えるためには、スタッフ側の学びや努力も必要です。現場では、スタッフ間の協力やフリースクール以外の支援機関なども含めたさまざまなつながりの中で、支援が維持されています。
学びの選択肢になる可能性
以上のような居場所だけでなく、自然体験や地域での仕事体験といった活動も広く行われるなど、それぞれのフリースクールで個性的なプログラムが設けられています。2016年には不登校の子どもたちの学習支援も含めた「教育機会確保法」が成立したことで、フリースクールのような多様な学びのあり方が注目されています。もし多様な学びへの社会的な認知が広がっていくならば、将来、フリースクールが学びの選択肢の一つになっていくことも予想されます。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
椙山女学園大学 人間関係学部 人間共生学科 ※2024年4月開設 准教授 佐川 佳之 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
教育学、教育社会学、社会学先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?