男女の差がなくなると、ワーク・ライフ・バランスが整う!
時給1,001円の謎
アルバイト情報誌をチェックすると、時給1,001円、1,077円のような半端な金額を見かけることがあります。その額は都道府県別に定められている地域別最低賃金額と一致しています。企業は人件費を抑えるためにギリギリの金額でやりくりをしているのです。ごくまれに、最低賃金以下の金額を提示しているところもあります。また、アルバイトであっても一定の条件を満たせば有給休暇をもらえるのですが、それを教えない事業主もいます。応募する人は、企業からの情報だけをうのみにしないで、自分自身で働くルールについての最低限の知識を持つ必要があります。
長期勤続できる会社、地域とは?
働きやすい環境や制度が整っていると、勤続年数が長くなり、職業のキャリアを積むことができます。政府が従業員10人以上の企業を対象に行った令和5年調査では、男性正社員の平均勤続年数は14.2年、女性正社員の平均勤続年数は10.4年でした。企業のなかには、男女差がなく、ともに平均勤続年数20年以上という企業が存在することもわかりました。
また、地域によっても違いがあります。女性の就業率を世代ごとにグラフにすると、愛知県などは出産・育児世代が減少する「M字」型ですが、福井県・富山県・山形県などは減少しない「台形」型になっています。
男女差をなくして、仕事と生活の調和を
日本では、平均すると男性の方が女性よりも賃金が高く、長時間勤務をする傾向にあります。そのために育児や介護は女性が中心になり、勤続年数も短く、非正規雇用で、賃金が低くなる悪循環に陥っています。それでは本当にその人らしい生き方ができているとは言えません。また、男性の収入のみに依存していては、男性が失職した場合に、家族全員が困窮するリスクもあります。男女間の賃金格差をなくすことや、男性の長時間労働を是正するなど、男女共に長く働ける環境をつくっていくことで、職業や働き方の選択肢が広がり、仕事と仕事以外の生活の「ワーク・ライフ・バランス」の調和を実現できるのです。
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先生情報 / 大学情報
椙山女学園大学 人間関係学部 人間共生学科 ※2024年4月開設 教授 小倉 祥子 先生
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