実は小学校から学んでいる「バランスのよい食事」の真相

小学校から始まる栄養学の学び
厚生労働省の政策の栄養・食育対策の1つとして、日本人の長寿を支える「健康な食事」という取り組みがあります。日本は、世界でも有数の長寿国であり、その長寿を支える食事はさまざまな要因から構成されおり、その要因の1つとして「栄養バランス」というキーワードがあります。なぜ、バランスの良い食事を取る必要があるのでしょうか。その謎を解く栄養学の基礎的な学びは、すでに小学校の家庭科の授業から始まります。小学校では、体に必要な炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素と栄養素のはたらきの特徴から食品を3つのグループに分けた三色食品群について学習します。中学校では、食品を栄養的な特徴により6つの群に分類した六つの基礎食品を学びます。高等学校では、エネルギー産生栄養素である三大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)の1gあたりの発生エネルギーなどの各栄養素の詳しいはたらきを学びます。大学の栄養学では、これまで学んできた人が健康でより良い生活を営むために必要な栄養学を基本として、さらに詳しく深く学びます。
エネルギー(ATP)産生にはビタミンが必要
生物が生命を維持するためには、エネルギー(ATP)が必要です。人がエネルギーを産生するためには、食物から糖質などの栄養素を摂取する必要があります。糖質からエネルギーを産生する経路がはたらくには、ビタミンが必要です。ビタミンは、補酵素としてエネルギー産生をサポートします。このように、1つの栄養素が十分に機能するためには、他の栄養素のはたらきが必要となるため、いろいろな食材をバランスよく食べることが大切になります。
栄養学を知ることで病気を予防
人の太りやすいなどの体質の差異が遺伝子の違いによるものであることが明らかとなり、今後は一人一人の体質による栄養評価ができることも期待されています。栄養学は、そのメカニズムを知ることで病気の予防と健康につながる、人が生きるうえで大切な学びの1つなのです。
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