新材料の開発、材料特性の評価、どっちも大切
新材料開発は私たちの暮らしを大きく変える!
近年注目を集めている材料として、例えば炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)があります。これまでの炭素繊維強化プラスチック(CFRP)とは違い、加熱すると柔らかくなり冷却すると固まる特性を持つプラスチック(熱可塑性プラスチック)と、炭素繊維を複合化することで、今までのCFRPより安く作ることが可能となり、またリサイクル性もCFRPより良好です。そのため、これまであまりCFRPが使われていなかった、自動車やそのほかの身の回りの製品にも幅広く使われることが期待されており、製品の性能向上に貢献することが予想されています。
材料の特性を知ることがものづくりの基本
私たちの身の回りにあるもの、例えば自動車、飛行機、建物などは、複数の異なる材料を組み合わせて作られています。なぜ異なる材料を組み合わせるのでしょう? それは、それぞれの材料が持つ特性を最大限に生かし、適材適所で使うことで、より性能が高いものをより安く作ることが可能となるからです。ですから、それぞれの材料の特性を正確に知ることが、より良い製品を作るためには必要となります。
材料の強さ(強度)を調べることの意味
材料が示す特性のうち、強さ(強度)を調べることは特に大きな意味を持っています。なぜなら、製品に力がかかる場合、その材料が力に耐えられる限界を知らずに使っていると、予期しないタイミングで材料が壊れてしまい、製品の事故が発生してしまうからです。製品を作るためにはさまざまな材料が組み合わされていますので、個々の材料の強度を理解するとともに、材料同士の組み合わせにともなう強度も把握しておく必要があります。例えば、最近ではコーティング(皮膜)材料がさまざまな製品に取り入れられていますが、コーティングが基材から簡単にはがれてしまっては使い物になりません。そのため、はがれにくさを調べるための試験をしたり、どうやったらはがれにくくなるのか、そのメカニズムを解明するための研究が行われています。
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先生情報 / 大学情報
新潟大学 工学部 工学科 材料科学プログラム 准教授 大木 基史 先生
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