太陽が眩しい日も雪の日も、自動運転車が街を走るには?

太陽が眩しい日も雪の日も、自動運転車が街を走るには?

自動運転自動車が街を走る

2023年4月に改正道路交通法が施行され、特定の条件の下であれば、無人で自動運転を行う自動運転車の公道走行が解禁されました。あなたの町にも自動運転のバスやタクシーが走るようになるかもしれません。
市街地向けの自動運転車の要素技術は大きく3つあります。自車が地図上でどこにいるのかを推定する技術、周りに何があるのか、どう変化するのかを認識する技術、そして「どのように車を動かすか」という経路・軌道計画技術です。これらの3つの技術は密接に関係しており、連携して発展させることが必要です。

降り積もる雪の中を走る

自車の位置の推定は、誤差10cm程度の精度が必要です。そのために、自動運転車に搭載されたカメラの映像やレーザーセンサの情報を、もともと用意されている地図と精密に照合します。ところが雪が降って積もると、道路の周りの形が変わってしまったり、路面の白線が全く見えなくなったりします。こういった状況でも自車位置を精密に推定できる方法が研究され、ミリ波レーダーといった他のセンサを併用することで、降雪時・積雪時でも自車位置を特定しやすくする方法が開発されました。

信号を認識する

自動運転で交差点に入っていくときには、信号機をカメラで認識します。色を識別するために、センサではなく、カメラを使うのです。人が運転する際にも、信号機が逆光や街路樹で見えないことがありますが、カメラも同じです。どんな条件のときに見えないのか、避ける方法はないのかが、公道を使った実証実験で研究されました。その結果、別の信号機があるなど、他の情報で補える場合が多いことがわかっています。補えないケースも明らかになり、対策立案の方向性が議論されました。このような課題分析も実用化のために必要な研究テーマです。
自動運転の技術は、たくさんの企業や大学が研究しています。企業は商品として実用化をめざす一方、大学ではより挑戦的な課題に取り組めるところに違いがあります。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

金沢大学 融合学域 スマート創成科学類 准教授 米陀 佳祐 先生

金沢大学 融合学域 スマート創成科学類 准教授 米陀 佳祐 先生

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情報科学

メッセージ

今は、学校だけではなく自分でインターネットで調べて学べるものもたくさんあります。パソコンがあってインターネットに接続できればAIのプログラムを自分で作って動かしてみることもできます。人工知能や自動運転車などの分野では、画像やセンサのデータなどの情報が公開されているものもあるので、ダウンロードして自分で解析してみることができます。他の分野でも、自分で面白いと思ったものを調べてみると、新しい発見ができたり、自分の興味を広げたりできます。積極的に取り組み、学ぶことの楽しさを深めてみてください。

金沢大学に関心を持ったあなたは

金沢大学は150年以上の歴史と伝統を誇る総合大学であり、日本海側にある基幹大学として我が国の高等教育と学術研究の発展に貢献してきました。本学が位置する金沢市は、日常生活にも伝統文化が息づき、兼六園などの自然環境に恵まれ、学生が思索し学ぶに相応しい学都です。江戸時代から天下の書府とも呼ばれ、伝統の中に革新を織り交ぜて発展してきた創造都市とも言えます。「創造なき伝統は空虚」との警句を胸に刻み、地域はもとより幅広く国内外から来た意欲あるみなさんが新生・金沢大学への扉を共に開くことを期待しています。