人間のことをよく理解することが良い装置のアイデアを生む!
パッと見て操作の仕方がわかるのが理想
作り手の考えだけでロボットを作ると、多彩な機能を備えているにもかかわらず、使い方がわからなかったり、とんでもなく重かったりすることがあります。パッと見て操作の仕方がわかる、例えばiPhoneのようなマシンが理想的と言えるでしょう。
リハビリを独力で行える簡易操作の機器
人間は寝たきりになると、拘縮(こうしゅく)といって足首の周辺が凝り固まり、立って歩くことができなくなります。これは、膝から足首までの筋肉が前面より後ろのふくらはぎの方が強いので、足首と足の甲が伸びたままの状態になるからです。通常、理学療法士が足を持って足首の角度が鋭角になるよう負荷をかけることで、症状の改善を図りますが、毎日の施術が必要です。そこでこのようなリハビリを、機器を使って独力でできないかと、研究が進められています。
これまでは、使用時に痛みが出たり、装置が大掛かりになっていたりしました。それに対し近年開発された新しい装置は、コンパクトで、家庭にある椅子に座り、装置に足を載せて、自分で操作をして足首を曲げるための負荷をかけることができます。かかとを浮かせ、くるぶしを回転軸にして足を回転させることで、これまでのような強すぎる負荷による痛みを軽減できるのが特長です。また、足を固定するためのベルトも必要ないので、簡単に使うことができます。
体の仕組みをよく理解することが大事
このリハビリ装置を応用すれば、重い荷物を軽々持ち上げる簡易な補助器具も作れます。運送業界などで使われるようになれば、業務の効率化が期待できます。用途にかかわらず重要なのは、人間の体の仕組みをよく理解した装置を考えることです。そのため物理の法則を理解し、計算して図に起こすなど、設計には時間がかかります。
いろいろなアイデアは実を結びつつありますが、市場に出すには、メーカーの協力が必要です。ものづくりには、良い装置を作るだけでなく、ビジネスとして成立するかという視点も必要なのです。
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先生情報 / 大学情報
富山大学 工学部 工学科 電気電子工学コース 准教授 戸田 英樹 先生
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