「乗り心地」が、自動運転車の価値を決める!
世界中で進む自動運転車の開発競争
近年、自動車業界では、自動運転車の開発がトレンドになっており、世界中の自動車メーカーがしのぎを削っています。試作車レベルでは、すでに自動運転車が誕生しており、走行試験が行われています。開発を行っているメーカーの試作車の多くは、「ある場所からある場所に行く」といった基本機能は、ある程度実現されており、公道での実証実験や市販化に向けて、さらなる技術の進歩が求められます。
乗り心地のよさで、売れる車になる
自動運転車で今後、競争のポイントとなりそうなのが、「乗り心地」です。従来の車では、運転者の気づかいやテクニックによって乗り心地が左右されます。自動運転の場合は、当たり前ですが車が運転を行うので、現行の自動車以上に乗り心地のよしあしが、売れ行きを左右すると予想されています。
では、どういった自動車が乗り心地のよいものなのでしょうか。「なめらかに発進し」「カーブの曲がり具合に合わせてスムーズに曲がり」「静かに止まる」、もちろん「乗客にはあまり加速度変化を感じさせない」、こういった運転ができる自動運転車が理想になりますが、現時点ではまだ実現は難しいです。
細やかな運転操作をめざして開発が進む
乗り心地のよい運転のためには、タイヤに適切な荷重をかけることがポイントです。そのキーとなるのが、ハンドル操作に対する車の応答です。実際に運転をしてみればわかりますが、道路には凸凹が多く、真っすぐ進むだけでも、細かなハンドル操作が求められます。現行の自動車にも、こうした運転をサポートしてくれる機能が付いているものもあります。例えば、マツダの車はハンドル操作に合わせて、エンジン出力を自動コントロールする「G-ベクタリング コントロール」という機能をほぼ全車種に搭載しています。ほかのメーカーでも制御機能の開発には力を入れており、今後、市販される自動運転車に搭載されるでしょう。乗り心地のよい自動運転車の登場が期待されています。
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神奈川工科大学 工学部 機械工学科 教授 山門 誠 先生
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