ロボットの進化 「人間に近づけること」と「最適な形にすること」

「グラフ探索」して自ら動くロボット
人の形をした「ヒューマノイドロボット」を実用化するときの課題の一つは、ロボットにとって複雑な環境の中で、自ら効率のよい作業手順を考えられるシステムを作ることです。その解決策の一つとして「グラフ探索」があります。今の地点からゴールに至るまでの経路を探すという考え方で、動作手順を考えさせる方法です。
例えばロボットが転んだときに、仰向け、うつぶせなど今の姿勢をセンサで検知して、起き上がるために腕を前に付くのか、後ろに付くのか、その次にどうするのか、自律的に判断して動きます。動作の途中で人とぶつかって転んだら、その姿勢を認識して新たに手順を探します。このシステムは、AIと組み合わせることでさらに高度になると考えられています。
ゲーム感覚でロボットを操縦
「一般の人がロボットに動作を教えやすいこと」も、実用的なロボットの開発に重要な要素です。そこで、ゲームのデバイスやアプリを、ロボットに動作を教える手段として使う研究も行われています。ゲームに関する技術では、VRのキャラクターを動かすことなどが進んでおり、それがロボットに応用できるのです。
ジョイスティックなどのゲームデバイスや、パソコン、スマートフォンを使ってゲーム感覚でロボットを操縦すると、その動作を記憶して、次からは簡単にその動作を呼び出すことができるようなシステムが目標とされています。
最適なロボットの形を自動的に
ヒューマノイドロボットは、人間のように多様な作業ができることをめざしたものですが、目的とする作業内容が決まっているなら、それに最適な形というものがあります。例えば四足歩行をするほうが、効率がいい場合もあります。そこで、作業内容から最適なロボットの形を決定し、そこからシステム全体を構築してくれるシステムの研究も行われています。現段階では、ヒントとなるようなロボットの形を人が図示すると、シミュレータの中でそのロボットが動くことができるところまで進んでいます。
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