栄養界の常識を打ち破る第七の栄養素「コラーゲンペプチド」とは
アスリートと高齢者の体の中は同じ!?
日本では健康寿命と平均寿命の間に10歳ほどの差があり、多くの人は10年ほど要介護状態になるわけです。なぜそうなるかというと、高齢者特有の必要な栄養素がわかっていないからだという説があり、五大栄養素と第六の栄養素として注目されている食物繊維に次ぐ、高齢者のための「第七の栄養素」を探す研究が続けられています。ひときわ注目されているのがコラーゲンペプチドです。コラーゲンペプチドは動物の骨や皮から抽出される物質で、美肌効果や骨や爪を丈夫にする効果などが認められています。
実はアスリートの体の中では高齢者と同じことが起こっています。アスリートは過酷なトレーニングで体を酷使するため、栄養欠乏に陥りやすいのです。そのためコラーゲンペプチドはスポーツ栄養としても注目され、実際にスポーツチームとの共同研究で効果が認められています。
栄養の常識は覆る!
以前は、コラーゲンペプチドを摂取しても何の効果もないと言われていました。そもそも骨や皮という、調理の際に捨ててしまうものに含まれているものです。それが役立つ栄養素として脚光を浴びるとは誰も考えていませんでした。
とはいえ、食物繊維も、かつてはカスなので食べる必要はないと考えられていました。栄養や食品の世界では、それまで常識だったことが研究によって覆ることが多々あります。栄養に関するアドバイスをする管理栄養士は一生学び続け、自分の頭で考えることが求められます。
管理栄養士の活躍の場はさらに広がる
コラーゲンペプチドのようにサプリメントで摂取する栄養素は、管理栄養士の指導で摂るのが理想的です。ですから、日常的な栄養管理のために、もっと管理栄養士が身近な存在になることが望まれます。保育園や学校、病院、施設などで個人の食生活にアドバイスすることはもちろん、ドラッグストアなどで気軽に相談にのれる存在となることが重要です。
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先生情報 / 大学情報
城西大学 薬学部 医療栄養学科(管理栄養士養成課程) 教授 真野 博 先生
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