日本の経済成長のために必要なのは教育だった!
日本が経済成長するためには?
経済が成長するためには技術、資本(工場や機械など)、労働の3つの要素が必要だと言われています。日本の高度経済成長期には何もない状態から資本がどんどん投入され、かつ労働力が潤沢にありました。では今、同じように資本を投入し続ければ再び高度経済成長が望めるかというと、そうではありません。資本に頼った成長というのは、長くは続かないのです。先進国のようにある程度成長を達成できてしまうと、それ以上工場を建設したり、機械を増設することで資本を増やしてもさらなる高い成長効果が見込めなくなってしまうからです。そうすると残ったものは労働と技術ということになりますが、日本は少子化が進んでいて、この先爆発的な労働力の増加というのは望めません。つまり、一人ひとりが知識や能力を高めていくことが必要となってきます。
長くなる人生
日本は少子化だけでなく高齢化も進んでいますが、それは、一人ひとりの人生が今までよりも長くなっていくということでもあります。つまり、仕事を引退した後の生活が長くなっているのです。そうなると引退後の生活に備えて、現役時代にしっかり働かなければなりませんが、その時に十分に働ける技術を持っていないと、引退後の生活を賄うのに必要なお金を稼ぐことができません。しかも、長い間働いていると、若い時に身につけた知識や技術が古くなってしまいます。高齢者や、結婚や出産を機に退職した女性がもう一度職場に復帰するという場合も同様です。それゆえ、AI(人工知能)などの技術革新が進んでいく中で、それに合わせてどんどん新しい知識や能力を獲得していかなければ、時代に取り残されてしまいます。
重要なのは教育
そこで社会に出た後にも教育を受ける機会を作ることが重要になってきます。このような生涯にわたる継続的な教育を、「リカレント教育」といいます。日本がこれから経済的に成長するためにも、また一人ひとりの幸福のためにも、このリカレント教育が重要になっているのです。
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先生情報 / 大学情報
武蔵野大学 経済学部 経済学科 准教授 田中 茉莉子 先生
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