SDGsの中に、政治に関する目標がなぜ入ったのか?

SDGsの中に、政治に関する目標がなぜ入ったのか?

目標実現のためのベース

第二次世界大戦以降、多くの国々が経済優先の方針を採った結果、環境や社会のバランスが崩れてしまいました。そこで世界の共通の目標として国連で採択されたのが、SDGs(持続可能な開発目標)です。環境や社会に関する目標が多い中、16番目の「平和と公正をすべての人に」だけは政治の分野です。「汚職や贈賄を減らす」「透明性のある公共機関を作る」「政治に国民の意志を反映させる」といった内容で、これらが守られていない社会は荒廃し、犯罪も増加し、環境や教育へのリソースが割けなくなります。「平和と公正をすべての人に」は、ほかの目標を実現するためのベースなのです。

日本人の当たり前は当たり前ではない

SDGsの目標達成のために努力する意味は大きく、教育にお金をかけましょう、女性活躍のため支援をしましょうと予算が付けやすくなります。SDGsの推進を目的としたODA(政府開発援助)が見込めることも途上国にとって大きな利点です。SDGsに強制力はありませんが、目標達成のための努力は求められ、目標16も含め国の進歩状況を報告する義務が生まれます。そのため内政干渉を恐れたロシアや中国は16に猛反対したという経緯もあります。日本人からすると16の内容は当然に思えますが、贈賄が蔓延(まんえん)し、公共機関は汚職にまみれ、国民の意志が政治に反映されていない国も多いのです。

SDGsに明文化されることの意味

またSDGsが作られたことで、各国の国民一人ひとりへの意識教育にも力が注がれるようになりました。日本でも持続可能な社会を作る一員となる教育が行われています。ヨーロッパ諸国でも、経済と社会と環境のバランスを取るための意識教育がされており、早い段階からSDGsの精神が根付いています。一方、まだ政治に参加する意識が希薄な国の人たちも、国際的なゴールがあることで政治への関心が高まります。SDGsとして明文化されることは、そういう意味でも重要なことなのです。

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東洋英和女学院大学 国際社会学部 国際社会学科 教授 河野 毅 先生

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比較政治学

先生が目指すSDGs

メッセージ

今やどんな企業も、SDGsを推進させようというスタンスを打ち出しています。SDGsの内容とつながりを理解しておくことは、社会人として成功するインセンティブになるでしょう。2030年をゴールとしているSDGsですが、2030年はあくまでもチェックポイントであり、2025年頃からは次にどういう社会をめざすべきかの議論が始まります。その中に自分たちの意見を反映させるためにも、日頃から世の中の問題に関心を持ち、自分と違う意見にも耳を傾け、政治や社会への参加意識を持つことを心掛けてください。

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