異文化理解とは「違い」を知り、「違い」を尊重し合うこと
ネットでは知りえないリアルな海外事情
インターネットが発達して、海外の風景や情報を簡単に知ることができるようになりました。しかもスマートフォンが普及したおかげで、手元ですべてがわかるような感覚を持っているかもしれません。しかし、その国の生活習慣や働き方からくる人々の暮らしぶりは、実際にその場に行って体感して初めて理解できるものです。逆に、日本の習慣が外国の人に誤解されているとしたら、正しく説明したいと思うでしょう。
「違い」を知り、「違い」を楽しむ
例えば電車ですが、日本では時間どおりに目的地まで連れて行ってくれるのが当たり前であり、アプリで検索すれば、その時間どおりに移動することができるでしょう。ところがある国では、時間どおりに来ないのが当然であり、現地の人は「そのうち来るし移動はできるよ」といった感覚を持っています。日本で同じ現象が起これば大問題になります。
トイレもお国柄が端的に表れていて、膝(ひざ)上くらいの高さまで個室のドアの下の部分が空いていたり、また違う国ではトイレットペーパーの処理方法が違うなど、日本では考えられない光景が広がっています。この「違い」を知ると、旅はもっと楽しくなるでしょう。
お互いの文化を尊重することが必要
日本が好きで日本の文化を知りたいと思って来日する外国人観光客を、どのように迎えるかは大事なことです。英語・中国語・韓国語と多言語で表記されている史跡や観光名所の案内板ですが、同じ場所でも標記内容が違う場合があります。例えば「川くだり」が、一方では「Canal Boat Sailing」、他方では「Down the River」となっていたりします。また、日本と海外のタトゥー文化の違いから、外国人観光客が戸惑ってしまう場合など、日本人が気づきにくいトラブルの種も報告されています。日本文化を知りたいと思い来日する外国人観光客に、正しい日本文化を伝えるためには、お互いの国の文化をリスペクトしていくことが必要となっています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
東海大学 文理融合学部 地域社会学科 准教授 藤岡 美香子 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
異文化コミュニケーション学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?