「できる人」から「わかる人」に変身させる教育とは?
「できる」と「わかる」は違う
あなたが「ここだけの話」と思って気軽に口にした発言が、町中に広がってしまったらどうしますか? それが悪口なら傷つく人がいますし、あなたがどんな発言をする人なのかも知れ渡ってしまうのです。
それが現実に起こっているのがSNSの世界です。実際の会話ならばその場で謝って取り消すことができますが、記録が残るSNSでは完全に取り消すことはできません。そのような状況でも多くの人は、危険性をそれほど考えずにSNSを使っています。つまりスマホやSNSを自在に操作「できる」ことと、仕組みや問題点を理解して使う「わかる」ことはまるで違うのです。
思考力・判断力を育む「プログラミング」
どんな問題があるかを想像したり、なぜ問題が起こるのかを論理的に考えたりする思考力や判断力を育むものとして、教育の現場では「プログラミング」が注目されています。
プログラミングとは、問題を解決するためにコンピュータにさせたい作業を順序立てて考えて、それをコンピュータにわかる言語で命令することです。例えば、コンピュータに正三角形の図形を描かせようとするとき、三角形の内角の和180度÷3で、60度の角度で次の線を引くように命令しても描けません。逆から見て、120度の角度で次の線を引く命令を出す必要があるのです。それをやみくもに試して「できた」とするのではなく、事前に「こうしたらできるかも」と論理的に考えることが大切なのです。
先生もプログラミングを体験する時代
2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されています。教員も実際にプログラミングを体験し、結果的に「できる」だけではなく「わかる」=理解することが必要です。教員自身が高いレベルで理解ができた上で、子どもの興味づけをすることにより、いろいろな方向に子どもの力をのばすことができるのです。情報分野が得意でなくても、「何かを学ぼう、成長しよう」という教員の姿勢そのものが、子どもたちにとって学びのお手本となるはずです。
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先生情報 / 大学情報
椙山女学園大学 教育学部 子ども発達学科 教授 深谷 和義 先生
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