講義No.09417 教育

「できる人」から「わかる人」に変身させる教育とは?

「できる人」から「わかる人」に変身させる教育とは?

「できる」と「わかる」は違う

あなたが「ここだけの話」と思って気軽に口にした発言が、町中に広がってしまったらどうしますか? それが悪口なら傷つく人がいますし、あなたがどんな発言をする人なのかも知れ渡ってしまうのです。
それが現実に起こっているのがSNSの世界です。実際の会話ならばその場で謝って取り消すことができますが、記録が残るSNSでは完全に取り消すことはできません。そのような状況でも多くの人は、危険性をそれほど考えずにSNSを使っています。つまりスマホやSNSを自在に操作「できる」ことと、仕組みや問題点を理解して使う「わかる」ことはまるで違うのです。

思考力・判断力を育む「プログラミング」

どんな問題があるかを想像したり、なぜ問題が起こるのかを論理的に考えたりする思考力や判断力を育むものとして、教育の現場では「プログラミング」が注目されています。
プログラミングとは、問題を解決するためにコンピュータにさせたい作業を順序立てて考えて、それをコンピュータにわかる言語で命令することです。例えば、コンピュータに正三角形の図形を描かせようとするとき、三角形の内角の和180度÷3で、60度の角度で次の線を引くように命令しても描けません。逆から見て、120度の角度で次の線を引く命令を出す必要があるのです。それをやみくもに試して「できた」とするのではなく、事前に「こうしたらできるかも」と論理的に考えることが大切なのです。

先生もプログラミングを体験する時代

2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されています。教員も実際にプログラミングを体験し、結果的に「できる」だけではなく「わかる」=理解することが必要です。教員自身が高いレベルで理解ができた上で、子どもの興味づけをすることにより、いろいろな方向に子どもの力をのばすことができるのです。情報分野が得意でなくても、「何かを学ぼう、成長しよう」という教員の姿勢そのものが、子どもたちにとって学びのお手本となるはずです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

椙山女学園大学 教育学部 子ども発達学科 教授 深谷 和義 先生

椙山女学園大学 教育学部 子ども発達学科 教授 深谷 和義 先生

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情報教育、教育学

メッセージ

教員は、奥が深い専門職です。最初からうまくできないのは当たり前です。若い頃は子どもにとって年齢が近く親しみやすいという魅力もあり、一所懸命取り組むことで責任を果たしていると思えます。でも、何年経験を積んでも、教育の「完成形」はありません。
常に時代の変化に対応して、例えばアクティブ・ラーニング(主体的・対話的で深い学び)を採用するなど、教育の仕方を工夫したり、改善したりする姿勢が大切です。教員志望なら、あなたも子どもと同じように探究心を持って模索し続けられるような先生になってください。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

椙山女学園大学に関心を持ったあなたは

「わたしは、強く優しい、輝く先生になる。」
変化する教育現場、多様化する子どもたちに、強くやさしく、輝く先生を。

子ども発達学科では、長期的な視野と多様な視点で子どもたちを見守る教育者・保育者の養成を目指し、保育と幼児教育、幼児教育と小・中・高等学校教育の垣根を越えた複数の資格・免許を取得できる環境を用意。徹底した少人数教育と個別指導、椙山女学園の総合力を生かした多彩な実習プログラムにより、優れた指導力と豊かな人間性を育みます。