日本の大学は、国際貢献ができる人材を輩出できるか
国によって違う大学事情
大学という教育機関は、国により、さまざまな形で発展してきました。ヨーロッパの大学は、中世に端を発していますが、イタリア、イギリス、フランスなど各国の歴史と文化に応じた独自の展開を見せています。また、イギリスでも「オックスブリッジ」、「ロンドン大学」や約20年前に大学に昇格したものなど、さまざまな形態の大学があります。
「副業」で社会貢献し、収入を得る大学
大学の仕組みを考えるときに大切なのが、大学経営のあり方です。つまり、どうやってお金を稼いでいくのか、という考え方ですが、日本では昔から、武士道精神の感覚からなのか、教育にお金の話を持ち込みたがらない傾向があります。しかし、国立大学であれば、国民の税金が投入されている以上、きちんとしたビジネスモデルに基づいた経営がなされるべきなのは、当然のことです。
大学経営の考え方のひとつに、パブリック・サービス、いわば「副業」で社会に貢献し、収入を得るというものがあります。日本の例で言えば、大学病院がそうです。副業によって収益を上げるという発想には、日本ではまだまだ抵抗もありますが、アメリカ、カナダなどでは、積極的に取り組んでいます。これから国際社会で活躍できる人材を育成するためには、大学経営の改革も進める必要があると考えられています。
国際貢献につながる人材の育成
日本は、好むと好まざるとにかかわらず、世界に期待される経済大国となっており、途上国の教育などを支援する役割を担っています。その日本の弱点は、ハードは強いがソフトが弱い、ということです。つまり、ものづくりには長けていても、人材育成、経営システムなどの仕組みづくりにはまだまだ改善の余地があるということです。
それは、国の機関でも民間企業でも同じことです。大学の改革は、国際交流の場で通用する優秀な人材を育成することにつながり、今後日本がなしていくべき国際貢献にも密接に結びついているのです。
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