多文化理解で視座を上げよ
異文化交流が当たり前の時代
高齢化と少子化により、70年後には日本の人口は現在の半分になると試算されています。また、訪日する外国人観光客は年々増加しており、政府は、2030年には観光客が6000万人になることを目標としています。つまり、70年後までには、日本の人口を超える外国人が日本を訪れることになるのです。海外へ進出していくための多文化理解ということがよく叫ばれていますが、もはや日本にいたとしても、多文化を理解することはごく当たり前の時代になっていくのです。
インターネットの浸透によって、世界は一気にグローバル化したともいわれています。ある面では、世界の文化のフラット化(均一化)が目立つようになってきました。
海外進出する日本企業の落とし穴
しかし、現在でも当然、文化の壁はあり、文化の違いをきちんと認識しないと、人間関係を損ない、ビジネスにおいては失敗します。例えば、日本の企業が海外に進出する場合、現地企業のトップに日本人が立って、日本型の経営を押しつけるという方法では、現地の文化になじまず、結果的に撤退していく例が多く見られます。重要なのは、その文化を知識として学ぶだけではなく、現地の文化と人々の心理に実際に触れ、受け入れられるやり方を実践することです。
多国籍チームのメリット
多国籍の人が集まったチームでプロジェクトを進めようとすると、最初は混乱することがありますが、違いを認め、相手の文化をリスペクトすることで、視座を上げることができます。上に視点を置くことで、視野が広がり、より俯瞰(ふかん)的にものが見えます。また、A国企業がB国でビジネスをするなら、ただA国のやり方を持ち込むより、B国の文化を取り入れることで発想も変わり、相乗効果を生むことができるのです。
今後、ますます多文化共生の時代が進んでいくでしょう。ビジネスにおいても、人間関係においても、多様性を尊重し、他者の価値観を受容する姿勢が求められることになります。
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先生情報 / 大学情報
共栄大学 国際経営学部 国際経営学科 教授 平林 信隆 先生
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