身近なデータを活用して、人類の新しい知を創造する

身近なデータを活用して、人類の新しい知を創造する

「5D」の世界地図を構築する

現在、国連などの国際機関で活用されているシステムに「5D World Map System(5次元世界地図システム)」があります。2次元は「平面」、3次元は「空間」、4次元は空間に「時間」軸をプラスした概念です。それに、「意味」という概念をプラスしたのが「5D=5次元」です。この場合の「意味」とは、メディア(文章・画像・動画)に表現されたものを指します。これらをデータ化して世界地図に統合したのが「5D World Map System」です。

地球の状況を多角的に把握する

メディアをデータ化することは簡単ではありません。文章の場合は、単語に分解して、どういう単語がどこでどのくらい使われているかを抽出して、データ化します。画像や動画の場合は、どの色や形がどこにどのくらい使われているのかといった指標をもとにデータ化していきます。こうしてデータ化されると、メディア同士の「意味」的な近さを計算できるようになります。これらメディアをIoT環境センサーデータと共に世界地図のデータに統合することで、地球がどんな状態に置かれているのかを多角的に把握できるようになります。

海洋を汚染するプラスチックごみの現実も

例えば、海岸に溜まったプラスチックごみを撮影した画像を、世界的な規模で収集し、このシステムに統合して検索すれば、どこにどれだけのプラスチックごみが存在しているのかがわかります。時間軸を合わせたり、気象条件や地理的条件を合わせたりして検索することもできます。こうした画像は一般の人でも撮影することができますから、世界中から容易に集めることができます。さらにここに、国・自治体・研究者が計測した水質センサーデータを重ねて見ることもできます。この手法を使えば、世界のどこでどんな現象が起きているのかを明らかにし、原因を分析し、解決策を提言することが、今まで以上の精度でできるようになります。まさに、身近なデータの活用が「新しい知識」の創造につながることになるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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武蔵野大学 データサイエンス学部 データサイエンス学科 准教授 佐々木 史織 先生

武蔵野大学 データサイエンス学部 データサイエンス学科 准教授 佐々木 史織 先生

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データサイエンス学

先生が目指すSDGs

メッセージ

データサイエンス学部のテーマは「ビッグデータ×AI×○○」です。AIやIoT(モノのインターネット)、ビッグデータ分析技術を活用して、便利で効率的な社会をつくるだけでなく、地球環境問題や世界の貧困問題、災害に強いまちづくりなど、この○○に入る社会的課題を探し出し、バラバラだった「人類の知」を総合的に活用して、地球の未来に役立てる方法についても研究・開発しています。あなたも国際的に活躍したい、人類の進化に貢献したいと思うなら、ぜひいっしょに学び研究していきましょう。

先生への質問

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2024年に100周年を迎えた武蔵野大学は、同年4月、ウェルビーイング学部ウェルビーイング学科を新設しました。2023年4月には、社会と環境をデザインし実現する、文理融合型の「サステナビリティ学科」を開設し、近年では、起業家精神を育成する「アントレプレナーシップ学科」や私立大学初の「データサイエンス学科」を新設。常に時代の変化を先取りし、13学部21学科の文・理・医療・情報系の総合大学へと発展・拡大を続けています。