そう考えざるを得ないのが“論理”
言葉の使い方から法則性を見つける
論理学は思考の法則を学ぶ学問です。論理はものを考えたり、議論をしたりする時に従う法則です。「□□は○○である」、「△△は□□である」のように、仮定となる二つの前提があり、「ゆえに△△は○○である」と誰かが結論づけた時、納得できる場合とそうでない場合があります。誰でもが納得できる「ゆえに」はどういう時に使えるのか、論理学はその条件をはっきりさせる学問です。
「人間は誰でも死ぬ」、「ソクラテスは人間である」という前提に対して、「ゆえにソクラテスは死ぬ」と結論づけた場合、「人間は誰でも死ぬ」という命題があれば、ソクラテスもプラトンもA君もBさんもみんな死ぬということを認めざるを得ません。そう考えざるを得ないことを考えることが論理学です。
筋を通すコンピュータ!
人工知能のプログラムでは、自然言語処理といって、コンピュータが実際に人間の言葉を扱うことをターゲットにしています。言葉をコンピュータが理解し、そこから応答しようと思うと、論理的に矛盾したことは言えません。
人間が国会の答弁を聞いて、筋が通っているかどうかをチェックするのは非常に難しいことですが、そういうことを検証するのが論理学の仕事です。論理学をコンピュータですべて扱うことができれば、言葉についても扱うことが可能になります。既知の事実から新しいことを引き出す(=推論)時に、そこから言えることに矛盾があるかないかを全部チェックすることができるのです。
人工知能やコンピュータのプログラムは一つの命令書です。あれをせよ、これをせよ、と文章で書かれています。最終的にその命令によってどういう結果が引き出されるかは、プログラマーの頭の中にはあるのですが、本当にそうなるかというのは、証明が必要になります。その証明を自動的に行い、ソフトウエアや工場が作成したプログラムが本当に仕様書通りになっているかを確認するためにも論理学が利用できるのです。
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名古屋工業大学 工学部 情報工学科 知能情報分野 教授 犬塚 信博 先生
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