自ら行動して学びとる! 古くて新しい学習法・アクティブラーニング
教室で座って先生の話を聞くだけでいいの?
現在の学校教育は、教室で生徒が座って先生の話を聞き、その内容をノートにとる方式、いわゆる「座学」が一般的です。この方法は知識があまりない子どもや、「何が何でも勉強したい」という強い動機がある人には効果的ですが、大人や一定の知識がある人を対象とする場合には学習効果が弱くなってしまいます。先生の話をわかったような気で聞いて右から左へ流してしまいがちで、学んでも定着しない、時には退屈だから居眠りしてしまうことさえ起こります。
「行動して学ぶ」、人間本来の学び方を見直そう
近代の学校教育が始まる前は、ものを学ぶには師匠について、その教えや技を実地で学習するやり方がほとんどでした。大工になる人は棟梁の弟子になり、寿司職人は大将について、その技術を見て学び、自分から覚えていったのです。生徒は先生をまねるうちに興味を持って新たな工夫を思いつき、自分でさらなる技術や知識をつかみとっていく、人間本来の学び方がそこにはありました。近年、学力や創造性の低下が問題視されている日本の教育は、そろそろ座学だけに頼らない手法が必要だと考えられています。
ゲームを楽しみながら実感できる学習法
そのひとつとして「ゲーミング」という手法があります。トランプゲームのようにあるルールを決めてチームに分かれ、どうすれば勝てるか、勝つためにみんなで知恵を出し合いながら実践し、考えていく学習法です。ゲーミングのメリットは、全体的な視点から学ぶべきことのポイントをつかめ、失敗しても次はどうすればいいか繰り返しチャレンジでき、そして何よりも楽しいことなどです。楽しくやって、気づいたら何かを学べているとしたら、自然に「もっと勉強したい」という気持ちになるでしょう。受身で座って頭だけで覚えるのではなく、自分から行動して実感しながら学ぶ「アクティブラーニング」という学習法が、本当に身につく学びの方法として注目されているのです。
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先生情報 / 大学情報
三重大学 教育学部 学校教育講座 教授 南 学 先生
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