肥満と喘息を防ぐカギは身体を動かすこと
肥満の原因とは?
飽食と言われる現代で、大人だけではなく、子どもの肥満が問題になっています。最近では肥満が原因で、成人がかかるタイプの「2型糖尿病」になる子どもも増えています。日本人の約3割は肥満になりやすい遺伝子を持っていますが、遺伝子を持っているだけでは肥満になりません。子どもの置かれている環境が、肥満になる・ならないに大きく影響するのです。
子どもの肥満のきっかけは食べ過ぎです。軽度の肥満の場合は、身体も動きやすいので見逃してしまいがちですが、気づかないうちに中等度・高度へと進み、元の体重に戻しにくくなります。健康診断で早く肥満を見つけて、食生活や日常生活を見直し、心配であれば医師の診断を受けることが必要です。
親子で身体を動かす喜びを知る
そもそも、人間の身体は脂肪をためこむようにできています。人類が進化するにつれて、脂肪をためることのできた体質の人が生き残り、子孫を残しているのは事実で、「小太りの長命」という言葉もあるぐらいです。とはいえ、健康な身体を保つためには、摂取カロリーと消費カロリーを考え、運動の習慣を持つことが不可欠です。
ある実験で、幼稚園児に万歩計をつけて1日を過ごしてもらったところ、幼稚園内にいるときの歩数は、どの園児にもそれほど違いはなかったものの、帰宅後に大きな差がみられました。保護者の活動量が多い園児ほど、歩数が増えていたのです。幼い子どもが身体を動かす習慣を持てるかどうかには、保護者からの影響が大きいことが表れています。
体力をつけて喘息を防ぐ
また子どもの健康で、肥満とともに喘息(ぜんそく)なども問題になっています。喘息は、乾いた空気がノドを刺激して発作が起こりますが、体力をつけると発作が減ることがわかっています。空気が乾燥しない状態でできる水泳などは、喘息に適したスポーツで、医療施設の中には院内にプールを設けているところもあります。無理のない運動や運動の量を考えながら、体力づくりを行うことが大切なのです。
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