消滅の危機にある農村を再生するにはどうしたらいいのか?
「農村計画」とは何か
今、多くの農村では、過疎化や少子化による農業人口の減少、後継者不足という問題が起きています。独自の作物を高い技術力で生産していた集落が、高齢化で、ある時から急激に生産量を落としたりするのです。もちろん、そこに至る問題の構造は地域により千差万別です。ですから、ある所では新たな技術で解決できたり、農業経営学が役立ったり、あるいは社会調査の手法で解きほぐせたりと、必要な手法や政策は複数の学問分野を横断したものになります。集落や地域の課題解決のプロセスとしての「地域づくり」や「まちおこし」が「農村計画」です。
地域が抱える課題を探る
ある農村で、若者に仕事がなく、都会に出て行ってしまうため人口が減少しているとします。すると、地域文化がつまった祭事などの担い手が足りません。これは、成人男性のみで行われていた行事を子どもに拡大したり、都市農村交流という形で、都会の学校から参加してもらうことなどで解決できる可能性があります。また若者が残らない理由も、就職先がないとか交通の便が悪いとかいうだけでなく、村のしきたりや近所付き合いといった人間関係による場合は、そこを見直すことで解決できるかもしれません。
「ナレッジマネジメント」による農村再生
農村再生手法の1つにナレッジマネジメントという経営手法を用いる方法があります。農村には、地域で代々継承されてきた農業や農村の文化・生活に関わる知恵が存在しています。こうした貴重な知恵を上手く活用し農村再生の仕組みを構築するのがナレッジマネジメントです。
例えば農業では、昔は何をするにも人手が必要で共同作業の中で篤農家が有する優れた栽培ノウハウが自然と受け継がれる側面がありましたが、今は機械化が進みそうした暗黙知が継承されないという問題が起きています。このような優れた知恵を次世代へ継承する仕組みを再構築することにより地域農業を発展できる可能性があります。地域条件を踏まえながら、さまざまな知恵を結集することが日本の農村に求められているのです。
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先生情報 / 大学情報
公立鳥取環境大学 環境学部 環境学科 准教授 山口 創 先生
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農村計画学、農業経営学、農業経済学先生が目指すSDGs
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