言葉や身振りでコミュニケーションを助ける「進化型会話ロボット」
タスク指向型から、より進化した会話ロボットへ
音声認識技術の飛躍的な進歩により、人間の言葉を理解して反応する賢いコンピュータは、すでに私たちの生活に浸透しはじめています。その大半は、今日のニュースを教える、スケジュールを管理するなど、ある程度決められた人間の指示や命令を理解する、タスク指向型の対応システムです。
さらにその先を行くのが、会話の文脈を理解したうえで簡単な仕事ができるロボットです。研究も進んで実用化されつつあり、人と人との対話を助ける会話ロボットとして期待されています。
感情のやりとりも促進する
人間同士のコミュニケーションには言葉はもちろん、感情の交流も大きく関わっています。会話は、相手の表情やしぐさから感情を理解し、共感したりほめたり、時には怒りをなだめたりしながら進むものですが、初対面の人同士や高齢者の集まりなどではスムーズにいかないこともあります。会話ロボットは、そんな場面でも活躍します。人間の感情を認識し、感情に則して応答しながら、人間同士の感情のやりとりを促進したり、やわらげたりすることができるのです。人間と同じような自然な会話は難しくても、相づちを打つなど、少し知的で気の利いたやりとりができるロボットが、滞りがちな会話を助けてくれます。
ロボットの技術開発に優れた日本
人工知能(AI)を搭載したロボットの開発は世界各地で活況ですが、コミュニケーションの相手として日常に入り込むには、親しみやすいキャラクターであることも大切な要素です。その点、日本製は小型で軽量、さらに声やしぐさがかわいらしく工夫されており、優れています。コストパフォーマンスも高く、導入が進む高齢者福祉施設ではさまざまなシーンで活用されています。
言葉や表情、動作などから人間と環境を理解し、状況に則した適切な言葉や身振りで人間を知的に支援する会話ロボットは、人間の行動や感情に好ましい影響を与えてくれるので、今後も多くの場所での活躍が期待されています。
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秋田県立大学 システム科学技術学部 情報工学科 教授 堂坂 浩二 先生
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