近未来にやってくるドラえもんが登場する日

近未来にやってくるドラえもんが登場する日

見た目も知能も進化するロボット

「ドラえもん」を見て、「なんでも願いを叶えてくれるロボットがいてくれたらなあ」と誰もが一度は思ったことがあるでしょう。気づけば、「AIBO(アイボ)」のような愛玩用ロボットが登場したり、恋人用ロボットのドラマが人気を呼んだりと、私たちのロボットに対する関心や期待は時代とともに大きくなっているのかもしれません。
事実、ロボット研究は日々盛んになっています。見た目追究派の研究者たちは、いかに人間の肌に近づけることができるかと、皮膚感の再現に心血を注いでいます。そして、知能追究派が今もっとも注目しているのは、ロボットが自然に、人間との会話や生活を続けられるようになるということです。実はこれがとても難しいことなのです。
例えば私たち人間は、「私」「我々」「あれ」「これ」など、指示語が会話の中に出てきても、前後の文脈やその場の状況で具体的に何を指し示しているのかを読み取って理解します。しかし、ロボットにこれを把握させようとすると、いちいち指示対象を定義してプログラムしないといけないため大変なのです。ですから、人間と楽しく話が続けられるロボットが完成したら、本当に画期的な功績になるでしょう。不可能ではないと思います。絶対に不可能だといわれていたカナ変換や漢字変換が、人間がコンピュータにちょっと手を貸すという仕方で実現されてきたという歴史もあります。

家事用ロボットは既にお目見え

既に、自動的に部屋の中を動き回り、くまなく床を掃除してくれるロボットなどが販売されています。今後は、人間にIDをつけ、それに合わせてサービスをしてくれるというような、「賢い」家事用ロボットなどが期待されています。完全に私たちと同じというわけにはいかないかもしれませんが、「ドラえもん」のようにいつも側にいて私たちを支えてくれるロボットと暮らす日は、そう遠くはないかもしれません。人間はこんなロボットたちと、どのような人間関係(?)を取り結ぶことができるでしょうか?

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先生情報 / 大学情報

静岡大学 情報学部 情報社会学科 教授 吉田 寛 先生

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メッセージ

情報学は、デザイン志向の学際的な学問です。情報社会学では、哲学や倫理学のほか、政治学、経済学、法学、文化研究などの人文社会系の知識をベースに、ロボットやゲーム、情報システムを利用した社会や組織をデザインします。特徴的なのは、人文社会系の教員であれば、情報科学やコンピュータ工学専門の教員と協力して、文工融合の授業と研究を展開していることです。情報学は大きな可能性のある、新しい分野です。

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