最先端技術の導入で、農業の未来を切り拓こう!
農業ロボット開発の課題は実用化
電子機器やソフトウェア、インターネットの環境は目覚ましい勢いで進歩していますが、それは農業機械の分野にも広がり始めています。自動操舵で畑に種をまいたり、田んぼの代かきをしたりする「耕うんロボット」に、イチゴを自動で収穫したりパック詰めを行う機械、ホウレンソウの下葉や根をきれいに取り除く機械や、傾斜地の多い果樹園でいろいろな作業に使用できるモノレールなど、さまざまな研究と開発が進んでいます。実際に使用できる段階にあっても、コスト面など課題も多く、実用化に向けた取り組みが求められています。
農業ロボットは期待の働き手
人口減少や高齢化社会の到来は、農業の分野にも深刻な影響を及ぼしています。耕作放棄地が増え、例えばホウレンソウの栽培は海外からの研修生頼みという地域もあります。産地を維持するためにも、少人数で効率的な農業にシフトしていくことが必要となり、ロボットの導入に期待が高まっています。イチゴのパック詰めは作業全体の3割を占めています。手間がかかる上に、品質を保つために寒い部屋で続く作業も大変です。農業ロボットの実用化は、作業の省力化というメリットも得られるのです。
ロボットが、農業の未来を明るくする!
農業に関心を持ち就農を希望する若者も増えていますが、ベテランと同じように農作業をすることはできませんし、教えるのが苦手なベテランもいます。もし熟練者と同じレベルで作業ができる機械や、手作業に頼っていた農作業を自動化するロボットがあれば、農業の未来はきっと明るくなるはずです。「ロボットが雇用を奪うのでは」という懸念もありますが、ロボットが人をサポートすると考えれば共存は十分可能です。
安全安心な食べ物を安定供給できる農業が成り立つことはもちろん、環境負荷が少ないことも大切です。より高度に、スマートに、低コストに、を実現した最先端技術の本格導入が可能になれば、農業が再び地域の基幹産業になることも夢ではありません。
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先生情報 / 大学情報
秋田県立大学 生物資源科学部 アグリビジネス学科 准教授 山本 聡史 先生
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