保育を想定し先生役と園児役になる体験で、保育力がパワーアップ!
幼稚園の先生はプランナー
幼稚園での遊びや活動は、その日の気分で行われているわけではありません。先生たちが事前に指導案を考えているのです。例えば、色紙でアジサイを作るとしたら、まずさりげなく保育室にアジサイの花を飾っておき、興味がもてる環境を整えます。作るときには、説明しながら「作りたい」という意欲が持てるようにしていきます。道具や材料の使い方をサポートし、「こうしたらどうなるかな?」「みんなAちゃんを見てごらん」などとイメージをふくらませる声かけをします。保育環境の場を設定し、子どもの活動を予想し、その活動に対してどのような援助や配慮をしていくかを考えて立案しているのです。
学生が先生役と園児役を演じる授業とは?
幼稚園での活動を体験する模擬授業が、保育者養成の場で実践されています。ユニークなのは、先生役も園児役も学生が演じることです。実際の子どもたちに指導の感想を聞くことは難しいですが、園児役の学生からは率直な意見や感想を聞くことができます。園児役の学生にとっても「この先生の説明はわかりくい」「あの先生のように私もやってみよう」と自分が先生をするときの参考になります。また、「3歳の子どもは、どんなことを考えて、どんなことを感じているのだろう?」と子ども目線で考えることができます。それぞれの立場からの学び合いを大切にしています。
多岐にわたる保育に応える実践力
女性の社会進出によって、さまざまな保育のニーズが高まり、保育の質・量ともに多くを求められるようになってきました。実際の保育の知識や技能だけではなく、発達や家庭のいろいろな問題を抱えている子どもと保護者への理解と支援も必要になっています。そのすべてに対応することは難しいかもしれませんが、保護者と一緒に子どもを支えていきながら、現場での経験を蓄積して自分も一緒に成長していくような、実践力を持った保育者が求められています。模擬授業はその実践力を身につける、またとない機会なのです。
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先生情報 / 大学情報
椙山女学園大学 教育学部 子ども発達学科 准教授 清 葉子 先生
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