子どもの成長発達を見守る大人に求められること
子どもには自分で育つ力がある
0~6歳までの乳幼児期は、経験したことをどんどん吸収して、できることが増えていく成長発達が著しい時期です。大人があれこれ教え込まなくても、子どもたちは日々の生活や遊びの中からさまざまなことを学び取り、これから社会で生きていくために必要なことを身につけていきます。子どもたちには、自ら育っていく力がもともと備わっているのです。
「同じ」に見えて「同じ」ではない子どもの遊び
ただ、乳幼児期には右肩上がりの直線的なグラフを描くように成長発達を遂げるわけではありません。何かが急激にできるようになるときもあれば、大きな変化が見られない状態が続くこともあります。そして、子どもがいつも同じ遊びをしている姿が見られることもあります。大人の目には変化がなく退屈に映るかもしれません。しかし、同じことを繰り返す子どもの目はキラキラと輝いていて、とても楽しそうです。子どもにとっては、「同じ」ことの繰り返しではなく、一回一回が新鮮な驚きや喜びにあふれた「新たな出会い」なのです。このように、同じ遊びを繰り返すことにも大きな意味があるため、その子が遊びに夢中になっているのであれば、大人がむやみに手を加える必要はないのです。
「してあげる」ことよりも大切なこと
そのような経過をたどって、子どもが成長するのは喜ばしいことです。しかし、子どもの成長には、他の子どもとケンカする、大人の要求と自分のやりたいことがすれ違う、などの葛藤がつきものです。仲直りのしかた、約束やルールを守ることの大切さを大人が教えてあげることで簡単に解決することもあります。しかし、その子の人生を歩んでいくのはその子自身であることを考えると、本人があれこれ考え、試行錯誤しながら自分なりの関わり方や答えを見出していくことの方が、実は大切なのです。子どもが安心して失敗したり、悩んだりできるようになるためには、子どもの日々の心の揺れ動きに付き合ってくれる大人の存在が欠かせないのです。
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