子どもの「できない」を「できた!」に変えるには?

子どもの「できない」を「できた!」に変えるには?

子ども期はたくさんの「変化」が起こる時期

あなたは小さい頃、何でもできる気がしませんでしたか? 私はきっとなんでもできるし、何にでもなれるという自信に満ちあふれていたことでしょう。小学校に入学し、友達や先生、いろいろな人と関わり、広い世界に接するにつれ、できることも増えてくる代わりにできないことに気がつくことも多くなります。人と比べて劣っているなと感じたり、できないんじゃないかと不安になったりします。このように、子どもの時代には多くの変化が起こります。人がどうやって心と体を成長・発達させていくのか、その過程を研究するのが「発達心理学」です。

子どもに必要な「根拠のない自信」

幼稚園に入園するぐらいから、自分でできることもどんどん増え、子どもは「なんでもできるんだ」という気持ちを持ちます。ここで特徴的なのは、子どもたちは何かができたからそれに対する自信を持つだけでなく、できなくても「きっとできるようになる」と根拠はない中で思っていることです。たとえできなくても、できると信じることは挑戦へのモチベーションとなり、結果的に「できた」という成功体験にもつながります。子どもたちは小さな挫折と大きな成功を繰り返し積み重ねて、自信をつけ、そして次第に自分自身の客観的な指標ができていくのです。

子どもの視点からのサポートには発達の知識が必要

そんな子どもたちに対して、大人はどう支援していくべきでしょうか? 大人は 子どもの「できない」ことに対してつい「こんなこともできないのか」と感じたり、手を出しすぎたりしがちです。しかし、子どもの今の「できない」は「できる」ようになるまでの過程にすぎません。どうやったらできるようになるのかを子どもの視点で一緒に考え、その結果としてのその子なりの「できた」を大人が一緒に喜ぶことが、彼らの更なる活動へのモチベーションになります。子どもの視点で考えて教育・保育を行うためには彼らを理解するための発達心理学的な知識は不可欠です。

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群馬大学 共同教育学部  准教授 大島 みずき 先生

群馬大学 共同教育学部 准教授 大島 みずき 先生

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発達心理学

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メッセージ

人間の原動力は「おもしろい!」と思うことだと考えています。どんな学問・職業を目指すにしろ、まずは自分がおもしろいと思ったことを大切にしてほしいです。
自分だけでなく誰かの「おもしろい」を尊重することも大切です。自分が気づかないおもしろさを他人が感じていることもあるかもしれません。自分とは違う考えを認め、人と自分は異なる考えを持つ人間なのだと認識し、自由に楽しめる社会を満喫することです。そうすることで世界が広がっていきます。まずは自分がどういうことに興味があるのか、自分自身を探ってみてください。

先生への質問

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群馬大学は北関東を代表する総合大学として、優れた人材を育成し、学問の研究と応用、福祉への貢献など、社会的使命を果たすことを特色としています。「社会のニーズに配慮しつつ細分化から総合化へ」という理念を研究面、及び教育面に具体的に実現させ、「研究活動面における社会との連携及び協力」に高く評価される形となって生かされています。