子どもの発達と保育の大変さは表裏一体の関係にある
子どもがスムーズに集団生活に移行するために
子どもの人間関係は、親や祖父母などの身近な大人から始まり、3歳頃から子ども同士へと広がります。しかし、ちょうどその頃から保育園や幼稚園に通い始めても、うまく周囲となじめないことがあります。何しろ子どもたちにとって初めての集団生活です。そこで保育士や幼稚園教諭は、まず自分たちとの関係を構築するところから保育を始めます。子どもが自ら考え行動することが保育の基本ですが、慣れない環境下では、すべきことがわかった方が迷わないため、今何をしたらいいかを示すようにします。言葉だけで伝えるのではなく、目でわかるような環境構成の工夫(例えば、どこに椅子を置けばよいのか印をつける)をして、やんわり方向付けをすることが大切です。
「イヤイヤ期」は発達の表れ
子どもの発達と保育の大変さは表裏一体の関係にあります。歩き始めの頃は、好奇心旺盛な子どもは、自分で何でも調べようという探索活動を行いますが、視点を変えれば、どこに行くかわからず目が離せないということになります。
そして2歳前後に訪れるのがいわゆる「イヤイヤ期」です。食事や着替えなどなんでも自分でやりたがり、大人の手伝いを嫌がるため手を焼くのですが、この行動は自我の芽生えでもあり、優しく見守る必要があります。
理由を聞きたい3歳児
3歳頃は言葉が発達し、さまざまな事柄に興味がわき、大人にあれこれ質問してくる時期です。質問の内容も人や物の名前を聞いてくるところからレベルが上がり、なぜ、どうしてと理由を聞きたがります。質問は次から次へと浴びせられ、しかも大人と違い理解力も言語力も乏しいので、保育者は丁寧な受け答えをする必要があります。3歳児の質問攻勢も好奇心の表れでもありますから、集団の中で一人一人の子どもとどのように関わっていくのか、経験を基に判断していくことになります。
このように子どもには年齢に応じた発達段階があり、保育者はそれを踏まえた上で子どもと関わっていく必要があるのです。
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先生情報 / 大学情報
仙台白百合女子大学 人間学部 子ども教育学科 教授 三浦 主博 先生
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