数字で伝え、数字を読み解く「会計」は面白い!
「数字」でより具体的に伝える
例えば、「私は背が高い」と伝えたい時、どのように説明しますか? あなたとほかの人が並んでいる写真を見せるのも一つの方法ですが、「180cmです」という数字を用いれば具体的に伝えることができます。他者と比較する時も、日本人の平均身長を示すことで、より相手に納得してもらえるでしょう。企業も同様で、言葉やイメージだけではその企業を理解することはできません。企業の実態や実状を「数字」を用いて、お金の面から具体的に示すものが「会計」です。
「数字」が企業を動かしている
会計とは企業の売り上げや利益といったお金の出入りを記録することで、企業にとっての「家計簿」「お小遣い帳」のようなものです。会計を通して、その企業が「もうかっているか」「財産はいくらあるか」などを知ることができます。
さらに、企業はその数字をもとに自社の経営を客観的に評価・分析して、成長するためにはどうすればいいかを考えます。また、他社の経営状況を評価して、優良な取引先を選定したりします。つまり、会計は企業の履歴書であり、戦略や方針を決定する指標となっているのです。「企業は数字で動いている」と言っても過言ではなく、会計の知識は経理や財務だけでなく、営業や購買など、さまざまな部署で重要視されています。
「数字」には背景がある
数字を評価・分析するためには、背景を読み解く定性的な視点も必要です。例えば利益が減少傾向でも、その企業を取り巻く国内・世界の経済環境、業界・社会の情勢などと照らし合わせて厳しい状況にあるならば、評価は変わってくるでしょう。数字はさまざまな要素が関連して表れる結果であり、そこには結果を導き出した背景があります。数字という定量的な分析と、背景を読み解く定性的な分析によって、企業はより有益な情報を得ることができます。そのためには経営や会計はもとより、経済学、社会学、心理学といった知識も必要であり、企業・社会ではこうした幅広い視野を持つ人材へのニーズが高まっています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
京都女子大学 現代社会学部 現代社会学科 准教授 掛谷 純子 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
会計学、経営学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?