感覚を研ぎ澄まして「音楽」を学べば想像以上の楽しさが待っている!
音楽を通じて育つ「豊かな感性」
今の高校生はよく音楽を聴くけれど、好きなアーティストやジャンル以外は全く聴かないという人が少なくありません。また、音楽をよく聴くのに、小・中学校での音楽の授業は好きではなかったという人も大勢います。本来、音楽の授業の目的は、多様な音楽に出会い、聴く、演奏するといった体験を通じて「音楽に対する感性」を育むことにあります。こういうと難しそうですが、要は幅広く音楽にふれながら、そこに込められた感情や背景を感じることで、音楽を楽しむアンテナを磨くということです。
サメが襲う恐怖をたった2音で表現
スピルバーグ監督によるアメリカ映画『ジョーズ』の冒頭は、「ミファミファミファ…」という2つの音の繰り返しで構成されています。たった2音だけで、サメが迫りくる恐怖をリアルに表現できるのはなぜでしょう? それは、音の並べ方、長さ、大きさ、音色など、さまざまな「仕掛け」があるからです。
また、有名なパッフェルベルの「カノン」は、C→G→Am→Em→F→C→F→Gの「カノン進行」とよばれるコード(和音)を延々と繰り返す構成ですが、飽きさせない仕掛けがあります。この、カノン進行は現代のJ-POPにも多く用いられています。実は、普段聴いている音楽にも、たくさんの仕掛けが隠されているのです。
音楽の学びは一生の宝物になる
こんなふうに音楽の仕組みをひもといていけば、聴く楽しさや演奏する楽しさが何倍にも広がります。小学校低学年の音楽の授業では、楽器との出会いやリズム、音の強弱などを体感しながら、音楽表現の楽しさに気づくことをめざします。高学年になるにつれ、音楽を形作っている要素を理解し、表現を工夫できるように導きます。中学・高校では音楽の背景にある作者の思いや歴史まで読み取るとともに、さらに音楽の可能性を広げる学習へとつないでいきます。
感性を働かせながら主体的に音楽と関わる学習をすることで、音楽は誰もが一生つきあえる「心の宝物」になるのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
桃山学院大学 人間教育学部(※2025年4月開設) 人間教育学科 講師 山口 聖代 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
音楽教育学、教育学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?