企業の目的地へ向かうための管理会計!
管理会計とは何か
会計というと簿記や決算書を思い浮かべる人が多いでしょう。それも会計の一つですが、一方で意思決定をしたり、従業員を働きやすくしたりするためにも会計を使います。それを管理会計と言います。
企業には目的があります。そしてそれに向かうために数値目標を立てます。例えば、どんな人にどんな商品をどれくらい売るか、何にお金を投資するか、どのような人を採用するかといったさまざまな意思決定を行わなければなりません。目的へ向かう方法を具体化して、従業員がそれを実行しやすくするのが管理会計です。
目標数値は行動計画と表裏一体
管理会計は単なる数値目標ではありません。5年後に売上100億円にするという目標を立てたら、従業員が何人必要か、雇うのにいくら必要か、オフィスの維持費用はいくらかなどのコストが見積れます。そこから、1人あたりの利益目標を立てることができます。しかし、それだけでは絵にかいた餅です。どのように実行するかまで考えなくてはなりません。売上目標を達成するためには、1日に何件の顧客を訪問するか、何を顧客に伝えるかなどの具体的な行動計画が必要です。行動計画と目標数値を組み合わせて設定するのが管理会計の楔石です。
時代に合わせて管理会計も進化
計画立案・実行するには、現場で働く従業員の力をいかに取り入れるかが重要になっています。経営トップだけで経済の実態をつかんだり、製品の詳細を決めたりすることはできません。経営トップは現場にいる社員が直面している市場や製品開発現場の状況をつかみ、目標をより実現できるような形に修正するという方法が採られています。例えばゲーム産業においては、参加する各クリエーターが創造性を発揮し詳細を決めながら製品を生み出していきます。多くの企業やクリエーターが参加してコンセプトを具体的な形に落とし込んでいきます。こういう場合、事前の具体化が難しいうえ、企業の枠を超えての連携が必要です。現在、このような場合の管理会計も研究されています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
福岡大学 商学部 教授 篠原 巨司馬 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
管理会計学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?