講義No.08466 経営学・商学

価値観や文化の違いを理解することが企業の海外進出のスタートライン

価値観や文化の違いを理解することが企業の海外進出のスタートライン

海外市場を狙い、進出が増える日本企業

日本企業の海外進出が拡大傾向にあります。以前はメーカーなどが生産拠点を海外に移し、人件費などのコスト削減を図るケースが多く見られました。しかし現在は海外でのチェーン店展開や商品の販売といった、外国市場への参入そのものが主目的となりつつあります。人口減少や景気停滞で今後の成長が期待しにくい日本国内の市場よりも、成長が著しいアジア諸国などの需要を取り込もうとする企業が増えているのです。

日本とは消費者の好みが大違い!?

日本企業の海外進出では、注意したいポイントがあります。消費者の好みやニーズは国によって違いがあるので、日本の商品やサービスをそのまま持ち込んでもうまくいかないことが多いのです。例えばインドネシアの歯ブラシは、ヘッド部分が日本製の倍ぐらい大きいものが主流です。中国では赤い冷蔵庫や金色のエアコンが好まれています。海外進出しようとする企業は、生活文化や価値観の違いで、求められる商品の仕様が日本とは大きく異なることを事前にリサーチしなければなりません。サービス業においても、消費者の感覚が日本とは随分違います。

従業員に「おもてなしの心」を伝えるには

労働面でも、日本とは慣習や考え方が異なることが多く、現地雇用した人たちとの間に摩擦が生じる原因になります。「ショップで商品を無料できれいに包装する」「飲食店でお客様のコップに水を注いで回る」、という日本特有のおもてなし精神からくるサービスは、外国の従業員にはなかなか理解してもらえません。彼らの考えでは、敬うべきは賃金を払ってくれる雇用主であり、お客様にサービスする理由がわかりにくいのです。
解決策として、日本の接客を動画で見せたり、日本の現場で研修したりするなどの教育方法がとられています。進出先の国民性を研究して、文化や価値観の違いを理解することが、企業経営の国際化、グローバル化をスムーズに進めるポイントなのです。

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先生情報 / 大学情報

桃山学院大学 経営学部 経営学科 准教授 櫻井 結花 先生

桃山学院大学 経営学部 経営学科 准教授 櫻井 結花 先生

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経営学、商学

メッセージ

「将来は国際的な仕事がしたい」と考えている人以外にも、広く伝えたいことがあります。ビジネスも研究も、今や国際的な視点なしでは成り立ちません。学生時代に大学内の外国人留学生と積極的に交流する、大学の制度を活用して海外研修へ参加する、国内で外国人に人気の観光地でアルバイトをするなど、国際感覚を磨く手段はたくさんあります。
海外でのビジネスシーンでは、自分とは異なる相手の考え方を理解しながら一緒にプロジェクトを進めていく力が必要です。グローバルな経営感覚を磨くために、ぜひ一緒に学びましょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

桃山学院大学に関心を持ったあなたは

大学4年間は、実社会で活躍する前の最終教育期間です。実社会で問われるのは、解決すべき課題を見出し、その課題を具体的に解き、そして実行する力です。この課題解決と実行のためには物事の本質を見抜く力を自らが獲得していかなければなりません。
桃山学院大学は「自ら学ぶ力」をはぐぐむ大学。勉学、クラブ活動、ボランティア活動、海外研修、キャリア支援など、学生が自身の能力を自覚し、4年間で磨き上げていくための環境整備に力を入れています。
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